米Intelは18日(現地時間)、これまで"Knights Corner"の開発コードネームで知られていたx86互換のHPC向けメニーコア・コプロセッサ「Xeon Phi」(ジーオン ファイ)を発表した。MIC(Many Integrated Core)アーキテクチャに基づく最初の製品で、製造プロセスにはIvy Bridgeと同じ22nm 3Dトライゲート・トランジスタを採用している。製品はPCI Expressカードの形状で提供され、Xeonプロセッサと組み合わせることでカードあたり1TFLOPS以上の性能を実現するという。
同社が開発を進めていたMICアーキテクチャの最初の製品。Xeonの関連ブランドという意味合いでXeon Phiという製品ブランドが与えられた、Xeonプロセッサとの組み合わせが前提のメニーコア・コプロセッサで、メニーコアによる並列コンピューティングの用途を目的としている。Xeon Phiの最大の特徴はx86プログラミング・モデルとの互換性であり、さらにホストOSから独立したLinuxベースのOSが動作する。アプリケーションからはHPCに最適化、並列化された、コンピューティング・ノードとして認識される。これらの機能により、GPUベースの代替技術では利用できなかったクラスタ・ソリューションを、より柔軟に実装できるとしている。
今回のXeon Phi製品は、22nm 3Dトライゲート・トランジスタのプロセスで製造され、PCI Expressインタフェースの拡張カード形状で登場する。コア数は50基以上で、8GB以上のGDDR5メモリをオンボード搭載。512ビットのSIMD命令をサポートしている。同カードの性能は、倍精度の浮動小数点演算で1TFLOPS以上という。
量産は2012年末を予定。しかしながら、Xeon Phiを組み込んだの最初の開発コンピュータ・クラスタは既に稼働しており、118TFLOPSで「TOP500」の150位にランクしているとのこと。