感謝祭明けの25日、全米でブラックフライデーと呼ばれる年末商戦がスタートし、街やショッピングモールは買い物客で溢れている。例年繰り返されるこうした風景だが、今年はちょっと趣が異なるようだ。米CNNによれば、米国にある2つのモールで買い物客の持つ携帯電話の発する電波を使い、その行動パターンを分析する試みが今年からスタートしたという。

同件を報じているCNNによれば、南カリフォルニアにあるPromenade Temeculaとバージニア州リッチモンドにあるShort Pump Town Centerの2つのモールで、25日のブラックフライデーのタイミングからこうした携帯電話の電波を使った顧客の追跡調査を開始しているという。例えば、Nordstromのデパートに来た客がどれだけStarbucksに立ち寄り、下着屋に注意を奪われ、あるいは逆に客があまりやって来ない不人気な場所はどこなのか、その行動を分析するのが目的となる。CNNによれば、こうした行動分析は長い間こうしたショッピングモールで行われてきたが、実際に携帯電話を利用しての自動追跡は初のケースだという。

だが、両モールの運営会社であるForest City Commercial Managementによれば「われわれは個々の買い物客を追跡しているのではなく、渡り鳥の観測のように、人々のその行動パターンを把握するのが狙い」だと述べ、個人データの収集が目的ではないとの見解を出しているようだ。モール側も個人情報は収集していないと述べるとともに、その旨のモールの案内で告知しているが、今後こうしたケースが増えることで問題が改めて提起される可能性もある。自衛手段としては、モールでの買い物中には携帯電話の電源を落としておき、FootPath Technologyと呼ばれる電波の追跡を受けないようにするしかないようだ。