台湾Digitimesが5月18日(現地時間)、米Appleの次世代携帯電話「iPhone 4S」の製造出荷を8月にも開始し、その発売が9月になる見込みだと報じている。なおサプライチェーンの情報によれば、Appleは2011年第2四半期におけるiPhone 4の出荷目標を2,000万台から1,750~1,800万台のレベルへと引き下げており、こうした新製品ローンチに向けた準備を整えている様子がうかがえる。
なお、Digitimesではこの次世代iPhoneを「iPhone 4S」と呼んでいるが、これは正式名称ではなく、Apple自身がそうした位置付けで新製品をリリースする意向であるかは不明だという点に注意したい。この名称はJefferies & Co.のアナリストPeter Misek氏のレポートに由来するもので、同氏は周辺情報から、次世代iPhoneはプロセッサとしてA5 (iPad 2で採用されたデュアルコアプロセッサ)を採用、カメラの性能向上やHSPA+上位規格のサポートなどブラッシュアップが図られているものの、全体にマイナーチェンジにとどまるという意味で「iPhone 4Sと呼ぶべきもの」と同製品を説明している。Misek氏のレポートではLTEが未サポートとなった経緯のほか、米国では提供キャリアとしてT-MobileやSprintが加わる可能性を指摘している。さらに別のレポートではこの"iPhone 4S"が当初噂されていたNFCサポートを行わない可能性が高いことも指摘されており、基本的に新機能追加よりも基本性能強化にとどまるとみられているようだ。
Digitimesの報道の報道に話を戻すと、第2四半期におけるiPhone 4の出荷目標の内訳はGSM系列版が1,600万台、CDMA版が150~200万台程度になる見込みだという。第1四半期の出荷台数が1,860万台であり、そのうちの150~200万台程度が在庫として流通経路に残っているというサプライチェーンの見通しだが、これよりは幾分か出荷台数が少なくなる見込みだ。また同紙では、iPhone 4Sにおけるベースバンドチップが事前予想どおりQualcomm製のものになるほか、アップグレードが噂されている800万画素のカメラモジュールはOmniVision TechnologiesならびにLargan Precision製のものになるとしている。