Internet Explorer 9登場

Windows OSの標準WebブラウザーであるInternet Explorerは、OSと共に進化してきました。当初はWindows 95 Plus!というアドオンパッケージの一コンテンツでしたが、バージョン4からはOSと統合し、現在に至っています。Windows XPと共に多くのユーザーに使われ続けてきたバージョン6は、当時としては十分な機能を持ち合わせていました。しかし、インターネットの進化とMicrosoftの保守的なスタンスが相まみえず、サードパーティ製Webブラウザーに後塵(こうじん)を拝するようになりました。

バージョン7では当時一般的になりつつあったタブ機能や、CSSなどのインターネット標準準拠に対応。バージョン8もその流れを加速させています。そして最新版となるバージョン9では、従来の流れを踏襲しつつも、GPUアクセラレーターの活用やUI(ユーザーインターフェース)の改善、新JavaScriptエンジンとなる「Chakra」の搭載など数多くの改良が加わりました。現在Internet Explorer 8を使用しているユーザーは特段の理由がない限り、バージョン9へアップグレードすべきです。そこで本稿では、Windows 7をお使いのコンピューター初心者向けに、Internet Explorer 9へのアップグレード方法や新機能を交えた使いこなし術を紹介いたします。

Internet Explorer 9の導入

それではInternet Explorer 9のダウンロードから取りかかりましょう。執筆時点ではWindows Update経由ではなく、公式サイト経由でダウンロードを行いますが、その前にWindows Updateにアクセスし、事前に修正プログラムの適用をお勧めします(図01~02)。

図01 Windowsフラッグボタンをクリックし、テキストボックスに「Windows Update」と入力しますと、Windows Updateが表示されます。これをクリックしましょう

図02 ナビゲーションウィンドウにある<更新プログラムの確認>をクリックし、修正プログラムを確認してから、<更新プログラムのインストール>ボタンをクリックします

公式サイトにアクセスしますと、自動的にWindows 7用Internet Explorer 9が選択されますので、通常はそのまま<今すぐダウンロード>ボタンをクリックしてください。ほかのコンピューター用に異なるバージョンをダウンロードする場合は、<その他の言語>をクリックすると開くWebページから選択します(図03~07)。

図03 公式サイトにアクセスしますと、自動的に使用中のOSおよびバージョンが確認されます。<今すぐダウンロード>ボタンをクリックしてください

図04 ダウンロードダイアログが起動したら、<保存>ボタンをクリックします

図05 保存ダイアログが起動しますので、保存先としてデスクトップなどを選択してから<保存>ボタンをクリックします

図06 ダウンロードが完了したら、<閉じる>ボタンをクリックします。一緒にInternet Explorer 8も終了させましょう

図07 <その他の言語>をクリックしますと、ほかのOSや異なるバージョンのダウンロードが可能になります

ここでInternet Explorer 9のシステム要件を確認しましょう。下記の図08をご覧になるとわかるように、対応OSにWindows XPは含まれていません。また、お使いのWindows OSによって必要となるHDD(ハードディスクドライブ)空き容量は異なりますので注意してください。このほかにもSVGA以上のディスプレイやマウスといった要件が示されていますが、Windows OSが動作する環境であれば問題ありません(図08)。

図08 Internet Explorer 9のシステム要件

また、前述したとおり、Internet Explorer 9はGPUアクセラレーター機能を使用します。そのため、GPU用デバイスドライバーの更新も行っておきましょう。例えばNVIDIA製GPUであれば、R265以上のデバイスドライバーにInternet Explorer 9向けのプロファイルが含まれており、AMD製GPUも対応を表明しています。少々乱暴な言い方ですが、日本を除いた世界各国の公開日となる2011年3月15日以降に公開されたデバイスドライバーであれば問題ないでしょう。

Internet Explorer 9のセットアップファイルである「IE9-Windows7-x86-jpn.exe(32ビット版)」「IE9-Windows7-x64-jpn.exe(64ビット版)」は、それぞれ0.97MB(メガバイト)、1.05MBとファイルサイズからもわかるように、メインコンポーネントはインターネット経由でダウンロードされます(図09~11)。

図09 ダウンロードファイルはお使いのWindows OSによって異なります

図10 こちらは32ビット版Windows 7向けの「IE9-Windows7-x86-jpn.exe」。ファイルサイズは0.98MBです

図11 こちらは64ビット版Windows 7向けの「IE9-Windows7-x64-jpn.exe」。ファイルサイズは1.05MBです

お使いのWindows OSに対応する実行ファイルをダブルクリックしますと、Internet Explorer 9のセットアップに必要なファイルのダウンロードが自動的にはじまります。ファイルを展開する前には、起動しているアプリケーションの終了をうながされますが、ここで<開いているプログラムを無視する>を選択しますと、セットアップ完了後にWindows 7の再起動を求められますので、簡単に済ませたい方は<プログラムを閉じる>をお選びください。

エクスプローラーを終了してセットアップファイルの展開を終えますと、自動的にInternet Explorer 9が起動し、セキュリティ関連の設定をうながされます。これはバージョン8にも用意されていたSmartScreenフィルターや互換性テーブルの使用をうながすというもの。特に問題がなければ推奨設定を選択してください。これでInternet Explorer 9のセットアップ完了となります(図12~15)。

図12 Internet Explorer 9のセットアップを実行しますと、一部アプリケーションの終了をうながされます。<プログラムを閉じる>を選択してから<続行>ボタンをクリックしてください

図13 これでセットアッププログラムが自動的にダウンロードしたファイルの展開がはじまります

図14 セットアップを終えるとセキュリティ関連の設定選択をうながされます。通常は<推奨される~>を選択して<OK>ボタンをクリックしてください

図15 これでInternet Explorer 9のセットアップが完了しました

なお、何らかの理由でInternet Explorer 9をアンインストールする場合は、コントロールパネルから「インストールされた更新プログラム」を起動してください。Internet Explorer 9本体および言語パックが列挙されますので、言語パック→本体の順番でアンインストールを実行しましょう(図16~19)。

図16 Windowsフラッグボタンをクリックし、メニューから<コントロールパネル>をクリックします

図17 コントロールパネルが起動したら、<プログラムのアンインストール>をクリックします

図18 ナビゲーションウィンドウにある<インストールされた更新プログラムを表示>をクリックします

図19 これでInternet Explorer 9のアンインストールが可能になります