米粒からパンができる! と発表当時から注目を集めた三洋のライスブレッドクッカー「GOPAN」。現在、「生産が追いつかない」という理由で注文受付を中止しているGOPANを幸運にも手に入れた10名のユーザーによる「GOPAN FAN MEETING」が22日、都内にて開催。話題のGOPANを実際に使った感想は…!?

2010年11月に発売されたライスブレッドクッカー「GOPAN」。あまりの人気に注文受付を2010年12月1日以降、一時見合わせるという事態に。今後は4月に注文受付を再開予定だ

今回のGOPAN FAN MEETINGは、GOPANを購入したユーザーを対象に、GOPANの使用状況や感想などをヒアリングするために三洋が企画したもの。会場に集まったのは、抽選で当選した10名のGOPAN愛用者たちだ。

GOPANにとっては記念すべき第1回目となる、ユーザーの集い。昼と夜の2回にわたり開催され、夜には男性の参加もあったとか

「お米の消費拡大を後押ししたい」、「食料自給率を上げたい」という想いが込められたGOPANだが、購入の理由は十人十色。

「旦那はご飯が大好き。でも私はパンも食べたくて」
「こどもにアレルギーがあったので」
「お誕生日プレゼントとして」
「実家からタダでお米が送られてくるので」



など、既にホームベーカリーを持っていても、購入してしまったという人もいた。

また、米パンをつくるだけではなく、小麦粉を利用した一般的なホームベーカリーとして活用している人も多く、中には「お餅、ケーキ、ジャムなど一通りの機能はすべて試しました!」という"GOPANマイスター"も。年末年始の何かと忙しい時期に、全自動のGOPANが活躍してくれたようだ。

「お米へのこだわり」は人一倍強いのです。

GOPANチームのリーダー 古長亮二さん(三洋電機 マーケティング本部)。「炊飯器の市場は今、約560万台/年。一方、ホームベーカリーの市場は60万台/年。まだまだ伸びる可能性がある」

自己紹介が終わると、総勢5名という三洋の"東京GOPANマーケティングチーム"を率いるリーダー、古長亮二さんがGOPAN開発秘話を紹介。40年の歴史をもつ炊飯器事業が培った技術力、そして三洋が業界で初めて手がけた米粉パンがつくれるホームベーカリーについて言及し、「GOPANは、試行錯誤しながら7年の歳月を費やして開発した製品。通常の会社ならば途中で打ち切りになっていたはずです」。GOPANを手がけた、鳥取の三洋電機コンシューマエレクトロニクスでは社内に竈を設置して研究していること、多くの社員が平日は仕事、土日は米作りに携わっていることなどを挙げ、「お米へのこだわり」が人一倍強い三洋だからこそ完成したGOPANへの想いを語っていた。

なお、GOPAN開発ストーリーに関しては、「GOPAN開発者インタビュー(前編/後編)」に詳しく記してあるので気になる方はそちらをご確認いただきたい。

2003年の開発開始から7年、ようやく完成したGOPAN

GOPANに採用された新技術

納豆、キムチ、海苔……! 多彩なトッピング

さて12時にスタートしたGOPAN FAN MEETING。おなかもぐぅぐぅ鳴り始めた頃に登場したのは、もちろんGOPANで焼き上げた"米パン"。それもただのトーストではなく、「宮城名物☆くるみゆべしトースト」である。

黒砂糖と醤油をまぜて米パンに塗り、くるみをトッピングしてトースト。焼き上がったら、きな粉をふりかけて完成。もっちりとした米パンにくるみのカリッとした食感が楽しい

このくるみゆべしトーストは、2010年11月29日から2011年1月10日までの期間で、日本最大級の料理サイト「クックパッド」にて行ったGOPANで作った米パンのご当地食材アレンジレシピコンテストで見事グランプリを獲得した作品。宮城県名物のくるみゆべし風の味付けで、菓子パンのよう。

3人の男の子がいるというユーザーは「こどもたちは食べ盛り。一斤焼いてもすぐになくなってしまう」と笑う

「小麦ゼロコース」では、グルテンの代わりに上新粉を使え、「スーパーですぐ買えるのも手軽でいい」。GOPANを購入してから「パン屋に行かなくなった」などライフスタイルの変化を指摘する人も

米パンは、もとがお米だけにバターやジャムなどのほか、お米に合うものとの相性もよいのが特徴。会場には「鯛味噌」「きんぴらごぼう」「ひじき」「なめたけ」「海苔の佃煮」という5種類のトップングが用意され、みんなで米パンにのせてパクリ。「家ではキムチをのせて食べてます」「納豆もいけますよ!」「おだしに浸してから焼いて和風フレンチトーストにしています」と参加者からも次々とアイディアが寄せられた。

用意された5種類のトッピング。一番人気は「鯛味噌」でした

愛用者だからこそわかるGOPANのこと

GOPAN FAN MEETINGの最後には、よりよい製品づくりに活かすため、それぞれがGOPANの改善して欲しい点を伝える時間もしっかり用意。参加者からは、「パンケースをどこまで入れたらいいのかわからないので、目盛りがほしい」「電源ケーブルをもう少し長くしてほしい」「グルメパンをつくるとき用に、何分後にどの行程が終わるのかわかるといい」「焼き時間のマニュアル設定も追加してほしい」など、実際に使用しているからこその意見が続々と――。細かい部分でも"優しさ"を感じられる家電のほうが、やはり使用回数も多くなってくるというもの。GOPAN愛用者からの言葉ひとつひとつを聞き逃さないよう、GOPANチームの人たちもペンを走らせていた。

焼きたての米パンをキレイに切るには? という疑問に応え、「切り方講座」も実施。切り方のコツは、まず半分に切り、切った面を下にしてスライスしていくこと

このほか、東京・表参道に期間限定でオープンし、1万3,000人の来場者を集めた「GOPAN CAFE」の再登場を願う声も聞かれたが、「4月を予定している受注受付再開後は、店頭にてイベントを随時行う予定」とのこと。ひとつのアイディアとして「スーパーなどにGOPANを設置して、買い物客が焼き立てパンを作って持って帰れるようにしてもいいかも」と説明されるなど、今後の展開も気になるところだ。

参加者10人中4人が「もっている」と答えた、GOPANのレシピ本。これを読んでアイディアを膨らませる?