三洋電機は13日、お米から手軽にパンがつくれる、ライスブレッドクッカー「GOPAN(ゴパン)」(SPM-RB1000)を発表した。発売は10月8日を予定しており、価格はオープン。推定市場価格は5万円弱。

「来年度は中国・アジア圏でもGOPANを販売予定」と話す、三洋電機 佐野精一郎代表取締役社長。欧米での発売は、「パンに対する嗜好が異なるため、工夫を加えて販売を検討したい」

日本人の主食でありながら、その消費量は1962年と比べ半減している、お米。「世界の人々に健康で楽しい、お米ライフを提案」したいとして、圧力IHジャー式炊飯器「おどり炊き」や、米粉を材料にした「米粉ベーカリー」を手がけてきた三洋が、今回新たに発表したのは、お米から簡単にパンを作ることができるホームベーカリー・GOPANだ。

約4年という開発期間を経て登場したGOPANでは、炊飯時のようにお米を粒の状態で水に漬けて柔らかくしてからミルをかけるという「米ペースト製法」を採用。また、クリーナーや電動ハイブリッド自転車、ミキサーなどのモーターを使う回転機商品開発で培ってきた技術「正逆回転機構」を採用することで、お米を切削する高回転数の「ミル用モーター」と、生地をこねる低回転数の「こね用モーター」という回転数の異なるモーターを1つの回転軸で実現している。

ライスブレッドクッカー「GOPAN」。ボディカラーは、プレミアムホワイトとプレミアムレッドの2色を用意

使用方法は、従来のホームベーカリーとほぼ同様。洗米したお米220gと水、塩、砂糖、ショートニング、グルテン、ドライイーストをセットしてスタートボタンを押すと約4時間後には「米パン」1斤が焼きあがる。なお、焼き色は濃/中/淡の3種類から選択可能で、タイマー予約は最大13時間となっている。

「米パン」の材料(左)と焼きあがった「米パン」。流通量が少なく、価格が高いという課題があった米粉だが、GOPANではお米をそのまま使うことで"米パン"を手軽に楽しめるようになった

お米切削(ペースト化)と生地をこねる工程に求められる回転数が異なるという課題をクリアした「正逆回転機構」に使用されているパーツ

「お米を生産している方々がどういう想いでつくっているか、それを知ったうえでお米の素晴らしさを伝える商品を開発していきたい」と三洋電機コンシューマエレクトロニクス 小林美和子氏

さらにGOPANでは、小麦成分のグルテンの代わりに、上新粉を使用することで小麦成分ゼロの米パンを作る「小麦ゼロコース」を搭載。小麦アレルギーの人でも安心して"パン"を食べることができる。もちろん、小麦粉でつくるパンにも対応。小麦食パン、パン生地、天然酵母食パン、玄米食パン、雑穀食パンに対応するなど全22種類のコースを搭載している。

本体サイズは、354(W)×387(H)×278(D)mmで、重さは約11kg。調理容量は食パン1斤(もち3合)となっている。

なお、2010年3月には策定された『食料・農業・農村基本計画』では、食料自給率を10年後に50%にする目標が設定されており、農林水産省 佐々木隆博大臣政務官は「米の消費を拡大することは極めて重要です。今回のお米からパンができるホームベーカリーは、米の新しい消費のしかたを提案するものであると同時に、家族みんなが揃って朝食を摂る"だんらん"の場を提供するものであると期待されます」とコメントしている。

もち米からおもちがつくれる「もちコース」、うどん、パスタの生地用の「ヌードル生地コース」なども搭載

国産米を使用した米パンを国民1人が1ヶ月に1斤食べると、食料自給率が約1%アップするという(同社調べ) ※1斤に使う米220gで試算

小麦パンに比べて水分含有率が高い「米パン」は、しっとりもちもちとした食感。また、カロリーも低く、アミノ酸スコアが高いという特長もあるという。会場では、ごはんに合うおかずは「米パン」にも合うという提案も