TIB-VHD形式の相互変換
これまで4回にわたり「Acronis True Image Home 2010」を用いたバックアップ環境を紹介してきたが、今回は、VHD形式のサポートや、Acronisバックアップイメージファイルを用いたコンピュータの起動など、Windows 7に特化した新機能を中心にチェックしていく。なお、同社Webサイトでは体験版も公開している。
ゼロからはじめる「Acronis True Image Home 2010」 - 最新版2010の新機能とインストール
ゼロからはじめる「Acronis True Image Home 2010」- 便利!ワンクリックバックアップ機能
ゼロからはじめる「Acronis True Image Home 2010」- バックアップイメージからデータを復元
ゼロからはじめる「Acronis True Image Home 2010」 - 代名詞!Acronisセキュアゾーン
TIB-VHD形式の相互変換をサポート
Windows 7のバックアップ機能や、Windows XP Modeで使用するWindows Virtual PCでは、ディスクイメージファイルとしてVHD(仮想ハードディスク)形式を用いるようになった。これは、2005年にVHD Image Format Specificationで策定されたファイル形式であり、前述のWindows 7標準バックアップ機能に加え、Windows Vista時代のフルバックアップ機能、Hyper-Vに代表されるMicrosoftの仮想化技術でも用いられている。
策定時期や実装状況をかんがみると、Windows OS標準の仮想HDDはVHD形式で進むのは火を見るよりも明らか。もちろん技術革新により、異なるファイル形式を開発する可能性はあるものの、ドラスティックにパフォーマンスが改善させるような結果が出ない限り、そのような流れはないだろう。このような状況に合わせたAcronis True Image Home 2010は、新たにVHD形式をサポートした。
具体的にはVHD形式と、拡張子「.tib」を持つAcronisバックアップイメージファイルの相互変換機能を備えており、それぞれ「Windowsバックアップの変換」「Acronisバックアップの変換」と、メイン画面の「ツールとユーティリティ」から起動できるウィザードで変換可能だ(図01~10)。
図06 変換を終えるとAcronisバックアップイメージファイルが図03で指定した場所に作成される |
図10 完了後は図08で指定した場所にVHD形式ファイルが作成される |
なお、VHD形式ファイルは「ディスクの管理」からマウント操作を行えるが、Acronisバックアップイメージファイルであれば、ダブルクリックでバックアップ内容の直接参照やドラッグ&ドロップによるファイルの抽出(復元)が行えるため、取り回しも楽になる。また、「イメージのマウント」機能を使えば仮想的なドライブとして、Windows 7上からも使用できるので、バックアップデータの活用もしやすくなるはずだ(図11~16)。
図14 図13の画面で<ドライブ文字>をクリックすれば、仮想ドライブに割り当てるドライブ文字の指定が可能だ。また初期状態ではリードオンリーでマウントされるが、<パーティションを書き込み可能モードでマウントする>にチェックを入れれば、仮想ドライブの読み書きも可能になる |
図15 マウントが完了したら「コンピューター」を開いてみよう。 |
ダイアログからマウント解除するドライブが選択されているか確認し、<OK>ボタンをクリック。これでマウントが解除される |