「RICOH LENS P10 28-300mm F3.5-5.6 VC」をGXRに装着した状態は、コンパクトデジカメとしては大柄で、同じレンズを搭載したCX3に比べるとおよそ一回り大きくて重い。胸ポケットに入れることはほぼ無理だ。その代わりホールドバランスは良好で、安定した構え方ができる。

電源を入れると、レンズ部がせり出し約2秒で起動。レンズバリアは内蔵せず、着脱式のレンズキャップが付属する。オプションの自動開閉式レンズキャップを装着することも可能だ。

AFは、一般的なコントラスト検出方式で、フォーカスモードはマルチAFやスポットAF、マニュアルフォーカスなどに対応する。AFスピードは、ズームのワイド側では非常に高速で、ズームのテレ側でも大きなストレスを感じないレベルで合焦する。十分に実用的なAF性能といっていい。

付属のレンズキャップを取り付けた状態

背面のADJ.レバーでは、ISO感度のダイレクト変更ができる

液晶は3型約92万ドットの透過型。屋外でもまずまずの視認性がある。写真はダイレクト画面を表示した状態

シャッターボタンの一気押しで、ピントを固定して撮れるフルプレススナップなどの機能がそろう

撮影モードは、オートのほかプログラムAE、絞り優先AE、シャッター優先AE、マニュアル、シーンモードなどを搭載。絞りやシャッター速度など各種のパラメータは、グリップの前後にある2つの電子ダイヤルを使って調整する。これらの基本的な機能と操作性は、従来のカメラユニットを取り付けた場合と同じだ。

キーカスタムメニューでは、ADJ.レバーやFnボタンの割り当て機能の変更ができる

撮影画像のホワイトバランスや明るさを後からカメラ内で変更することができる

高感度ノイズリダクションは、OFF/弱/強/MAXの4段階から設定できる

連写の設定メニュー。シャッターから指を離した瞬間の直前の画像を記録する「M連写プラス」機能もある

従来ユニットにはない新機能としては、CMOSセンサーの高速性を生かした「超高速連写」に対応する。この機能を選ぶと画像サイズが640×480ピクセルに固定され、1秒間に120コマ(Hi)、または1秒間に60コマ(Low)のハイスピードで連写ができる。また、1000万画素のフル画素で撮れる通常の「連写」を選んだ場合には、秒間5コマで連続5枚までの記録ができる。

超高速連写(Hi)の作例。撮影モード:マニュアル(F5.6、1/800秒) / 感度:ISO800 / WB:白熱灯1 / 画像設定:スタンダード / 焦点距離:52.5mm(一部抜粋)

さらに、2枚の画像を連写・合成して広階調の1枚の画像として記録する「ダイナミックレンジダブルショット」や、ピント位置を自動的にずらしながら5枚を連写する「フォーカスブラケット」、最大で1280×720ピクセルのHD動画機能、最短1cmのマクロモードなどを装備。これらの機能はCX3から継承したものだ。

ダイナミックレンジダブルショットの設定メニュー

ダイナミックレンジダブルショットOFF

ダイナミックレンジダブルショットON

CX3のシーンモード内にあった、ペットモードやミニチュアライズ、ハイコントラスト白黒は搭載していない。その一方で「RICOH LENS P10 28-300mm F3.5-5.6 VC」では、CX3ではできないマニュアル露出やRAW機能に対応する。写真愛好家などの中級者以上をターゲットに絞った内容となっているのだ。…つづきを読む

動画サイズの設定メニュー

動画
動画サンプル。記録画素数:1280×720ピクセル / 再生時間:約22秒 / ファイル容量:約95MB