より高い互換性への追求

DOMとCSS3への対応について見てみよう。[HTML5 Demos]の[DOM Events]を実行してみる(図8)。

図8 DOM Eventsデモ

CSS3で記述された、外枠が角丸の透明なメニューが表示される。同様の表示は、FirefoxやGoogle Chromeなどでも可能である。しかし、それでも非互換性はつきまとう。図9は、[HTML5 Demos]の[Border Radius]の実行結果である。

図9 Border Radiusデモ

図8同様に、外枠を角丸にし、さらに枠線を破線にしたものである。border-radiusプロパティで、個々の丸の大きさを指定している。これをFirefoxで表示すると、図10のようになる。

図10 Border RadiusデモをFirefoxで表示

角丸部分が、破線表示できていない。このような規格は現時点ではドラフト段階であることにより、ブラウザの実装にも差が生じているのである。マイクロソフトでは実際に使用されているDOMとJavaScriptのデータから、より多く使われている方法を採用していくとのことである。さらに、HTML5の実装方法については、開発者からのフィードバックを求めていく。 互換性の達成については、Web標準準拠テストであるAcid3でも判定できる。最初のIE9が発表された際には、32点であった。現在では、55点となっている(図11)。

図11 Acid3の実行結果

Firefoxでは、現時点で90点台を出すが、マイクロソフトでは、今後開発が進むにつれてこの点数は上がるとしている。さらに、W3Cへの適合テストの提出を行い、標準規格への策定に協力しているとのことである。