米Appleが米Microsoftと提携してiPhoneのデフォルト検索エンジンを「Bing」にする!? - 米Bloomberg傘下のBusinessWeekは20日(現地時間)、両社がこうした交渉を進めていると関係者2名の話を紹介している。これによるAppleのメリットは何か? それはもちろん、両社共通の敵である米Googleへの対抗だ。

現在、iPhoneのMobile Safariにおけるデフォルト検索エンジンはGoogleとなっている。これは初代iPhoneが2007年6月にリリースされて以来のもので、GoogleあるいはYahoo!のいずれかしか選択できず、Bingで検索するにはSafariでURLに「www.bing.com」と入力するか、Bing検索用のアプリを導入するしかない。iPhoneのGoogleサービスとの親和性は非常に高く、前出のデフォルト検索エンジンのほか、iPhone専用のGoogle Mapsアプリ、当時最も高速なYouTubeプレイヤー、そしてGmailアカウントの利用など、その多くをGoogleに依存していたといっても過言ではない。開発当時は両社ともにこれほど競合状態におちいるとは考えていなかったに違いなく、Google会長兼CEOのEric Schmidt氏はつい最近までAppleボードメンバーの1人だった。

AppleとGoogleは互いが最大の敵であると認識

だが現在、両社は多くの分野で競合関係にある。Webブラウザをはじめ、クラウド経由のサービス群、ソフトウェア製品、そして契約締結直前まで買収を争っていたといわれる音楽サービスの米Lalaとの関係など、主要製品での競合が目立つようになった。またiPhone OSとAndroidという携帯OSだけでなく、今年1月5日にはGoogleがNexus Oneで携帯端末市場そのものに参入し、Appleとの競合が決定的になった。BusinessWeekによれば、今回の情報提供者の1人が「AppleとGoogleは互いが最大の敵であると認識している」と指摘しており、「Microsoftは戦場に置かれたポーン(チェスの駒でいう歩兵)みたいなもの」というように、戦争におけるうってつけの"駒"になっているというのだ。