最近開いたファイルを一覧表示する「mru.vim」

それでは、これはと思われるスクリプトをいくつか紹介してみよう。まずは「mru.vim」。早い話が「最近使った項目」のvi版で、最近開いたファイルを一覧表示してくれるスクリプトだ。「:MRU」+[enter]キーで一覧表示を開始、カーソルを移動し[enter]キーを押せばファイルを開くことができる。~/.vimrcに「:let MRU_Max_Entries=20」などと記述しておけば、記録しておくファイルの数を増やすことも可能だ。

このように、最近開いたファイルの履歴を一覧表示できる

カッコや引用符の入力を自動補完する「Autoclose」

この「Autoclose」は、カッコや引用符(({['")を入力したとき、自動的に対応する閉じ記号を補完してくれる。「{」に対応する「}」が補完されたとき、手動で「}」を入力すると補完がキャンセルされ二重入力を防ぐなど、使い手の気持ちを汲んだような機能もうれしい。

手動で入力すると補完がキャンセルされるなど、"出過ぎない"機能が心地よい

ディレクトリツリーを表示するファイラー「The NERD Tree」

何やら気になるネーミングの「The NERD Tree」。平たく言えば、ディレクトリツリーを表示するタイプのファイラーだが、ドットファイルの表示やファイルを新しいタブで開く処理など、気が利いた機能を提供してくれる。「:NERDTree」+[enter]キーで起動したあと、どのような機能があるかヘルプ(「?」で切り替え)を表示して調べてみよう。

なかなか使いやすいファイラー「The NERD Tree」

ファイル名を編集する「renamer.vim」

この「renamer.vim」は、名前のとおりファイル名を編集する機能を備える。「:Renamer」+[enter]キーとして起動すると、カレントディレクトリ以下の内容が表示され、編集可能な状態となる。ここでファイル/ディレクトリを文字通り「編集」すると、変更内容をそのままファイルシステムに反映できるのだ。ただし、「:Ren」+[enter]キーを実行しないかぎりは反映されないため、Finderでのファイル名変更とは異なる。日本語のサポートはもちろん、コピー/ペーストなどの編集テクも利用できるうえ、ディレクトリの移動などファイラーとしても活用可能だ。

確定するまでなんどでも修正できるため、Finderで作業するより便利かも?

matrix.vim

最後はプログラマ向けのスクリプトをと考えていたが、それではいかにもなので、急きょ「matrix.vim」に変更。こういったスクリプトが存在するということは、開発者層の幅広さと懐の深さ(?)がうかがえると思うのだが、いかがだろう。

このような遊び心がVimスクリプト普及の活力となっているのかも