シャープは29日、液晶AQUOSの新シリーズ「LED AQUOS」(LXシリーズ)を発表した。60V型から40V型までの4機種がラインナップされている。発売は、60V型のLC-60LX1が11月25日、52V型のLC-52LX1、46V型のLC-46LX1、40V型のLC-40LX1が11月10日を予定している。価格はいずれもオープンで、市場価格は、LC-60LX1が55万円前後、LC-52LX1が45万円前後、LC-46LX1が35万円前後、LC-40LX1が25万円前後と予想される。
LXシリーズは、9月16日に生産導入が発表された、テレビ向け次世代液晶技術「UV2A」を採用する初のモデル。一般的な液晶パネルは、ガラス基板の上に液晶の配光膜となる物質を流し込むような形で作られている。液晶パネル上には複雑な構造物が設けられており、それによって製造時の液晶分子の動きが制御されてきた。それに対して、UV2A技術は、流し込んだ後の液晶分子に紫外線を当てることで、その角度を高精度にコントロールするというもの。より低コストに、液晶パネルを作ることが可能になる。さらに、UV2A技術を利用して作られるする液晶パネルでは、各セルの形も新しいものとなっている。写真の左が新液晶パネル、右が従来のASV液晶パネルだが、新液晶パネルでは、斜めに入ったライン(リブスリット)が存在しないため、例えば黒を表示した際にもバックライトからの光が漏れない。さらに、開口率が大きく取れるため、より少ないバックライトでも明るくできるといったメリットがある。これにより、従来以上の高コントラスト化が可能で、また、応答性能も、従来の2倍以上と高くなっている。
開口率が高く、バックライトからの光漏れがない新パネル |
バックライトには、LEDを採用。同社では、XS1シリーズにLEDバックライトを採用しているが(XS1ではメガASV液晶とLEDバックライトの組み合わせ)、LEDバックライトとUV2A技術を採用した新パネルにより、製品では、テレビコントラストが、200万:1(XS1では100万:1)となっている。なお、XS1ではRGBタイプのLEDが光源として使用されていたが、LX1シリーズでは白色タイプのLEDが使用される。
また、開口率の高い新パネルとLEDの採用は、省エネ性能の向上にも寄与しており、年間消費電力量は、LC-60LX1では211kWh/年、LC-52LX1では166kWh/年、LC-46LX1では143kWh/年、LC-40LX1では118kWh/年と、なっており、前モデルのGXシリーズと比較した場合、30%以上削減されている。
同社では、今回発表された60V型のLC-60LX1、52V型のLC52LX1にジャストサイズの、3.1chのシアターラックシステム「AQUOSオーディオ」(AN-AR610)も同時発表。11月25日の発売予定で、価格はオープン。市場価格は13万円前後と予想される。AN-AR610は、フロント85W×2+センター85W+サブウーハー230Wの合計485Wの大出力で迫力のあるサウンドを実現する。搭載されているアンプは、同社得意の1bitデジタルアンプ。