富士スバルライン終点に位置する河口湖口 五合目。標高は2,305m

「じゃあ、出発前に富士山頂をバックに気合の入った写真を撮りましょうか」
と日高さんに声をかけ、カメラを構える僕。「……う~ん、何かキマらないけど、まあいいかっ」と記念すべきファーストカットを撮る。

PROTREK「PRX-2000T」を装着し、キメてるつもりの日高さん。これほど山や青空が似合わない人も久しぶりだ……

ここは富士山の河口湖口 五合目。天気は快晴で、真っ青な空をバックに富士山がくっきりとした輪郭を描いている。今日はカシオ計算機主催の「富士山プレスツアー」の1日目。同社が誇るアウトドアウオッチ「PROTREK」シリーズの最新モデル「PRX-2000T」の機能を富士山に登りながら体験しようというのが今回のツアーの目的で、マイコミジャーナルの記者として参加したのが、1週間前にも富士山に登り、すでに日焼けで真っ黒な山岳ライターの僕と、まったく野外が似合わない真っ白お肌のIT系ライター日高彰さん。まるで"オセロ"のような二人組だ。

高度計を2,305mにセットする

ツアーには、PROTREKシリーズの開発者であるカシオ計算機の牛山和人さんも同行してくれた。「今回のツアーでは、特に3つの機能を体感してほしいと思っています」と牛山さん。

3つのポイントとは、
1.高度計
2.方位計
3.日の出・日の入時間
のこと。

牛山「PRX-2000Tでは、高精度圧力センサーを搭載することによって、より正確に高度の計測ができるようになりました。方位計は偏差(地図上の北である『真北』と方位磁針の北である『磁北』の差)の調整が可能です。富士山では『西偏7度』なので、その数値をセットすると方位計の北と地図の北を一致させることができます。また、現在地の緯度経度をセットすると、正確な日の出・日の入時間が分かります。方位や日の出・日の入時間の視認性も、二層液晶によって向上しています」

日ごろから山に登ってばかりの僕としては「この機能はあんなシーンで役に立ちそうだ……」などいろいろイメージがわいてくる。

いざ、頂上に向け出発!

さて、五合目を出発したツアーメンバーは、まずは緩やかな登山道を登っていく。途中見晴らしのよい場所で、方位計を使いながら地図と実際の地形とを見比べる。すでに「真北=磁北」に調整しているので、PRX-2000Tの方位計の北と地図の北をあわせて前方を見渡すと、まさに地図通りの景色が広がっているではないか! 「なるほどね~」と日高さんも感心しっぱなしだ。

方位計と地図をあわせながら、景色を眺める日高さん。日焼け予防なのかもしれないが、この格好はあまりにもセンスなさすぎないか!?

六合目から本格的な登りとなる。標高は2,400mを超えて、すでに雲の上の世界。見下ろせば、どこまでも雲海が広がっている。足元は、砂に混じって大小の石がごろごろしている砂礫の斜面。歩きにくいのか、日高さんはときどきフラフラしている。心配になった僕が「大丈夫ですか?」と声をかけると、「大丈夫です、たぶん……」と自信があるんだかないんだか分からないような答え。ただ、ペースはそんなに落ちてないので、まだイケるだろう。途中、夏の富士山名物"登山ツアーの大渋滞"に巻き込まれ、ゆっくりペースになってしまうが、少々バテ気味の日高さんには返ってよかったかもしれない。

七合目の山小屋のすぐ下で"登山ツアーの大渋滞"につかまる。この風景は、夏の富士山の風物詩

16時15分。出発から約3時間で、本日の宿泊地「東洋館」(七合目)に到着。

七合目の東洋館に到着! ちょっと間抜けなガッツポーズ

今回のツアーには女性も数名参加していた。みなさん、頑張って登っていました

東洋館の地図上の標高は2,910m。気圧配置が変わったのか、30mほど誤差が出ている

1日目の感想を聞くと、「明日もあるので大きなことは言えないけど、今のところは大丈夫です!」と意外にも余裕をのぞかせる。

寝室に案内されると、日高さんがザックから取り出したのは、なんとモバイルPC! 「実は今夜、原稿を入稿しなくちゃいけないんです」と仕事を始めたのだ。さすがはIT系ライターというべきか……。(僕はPCを持って山に登ったことはありません!)

…ツアー2日目へ

寝室でひとり仕事をする日高さん。山に来てまで原稿を書くなんて、ライターの鑑だ!

晩御飯はごはん、味噌汁、ハンバーグ。ごはんはおかわり自由で、みんな2~3杯食べていた

夕食後、生ビールで乾杯! 小屋の人によれば、生ビールサーバーが設置されている場所としては、東洋館がもっとも標高が高いそう