インテリジェントワークスは、ISO27001などのセキュリティレベルを保つために必要なIT資産管理・シリアル管理ツール「CWS2-SAMファインダー」を発表した。SAM(Software Asset Management)機能が強化され、自動でアプリケーション名やバージョン名を取得、シリアル番号の取得・管理(モリサワ、Adobe、Microsoftなど)、不正ライセンスソフトを検知し、データベースにして管理可能。Windows/Mac OS X/Mac OS 9/VMwareで利用できる。1ライセンスの価格は、サーバが490,000円から、Macエージェントが8,900円から、Winエージェントが4,500円から。

発表会では、インテリジェントワークス 営業部長 藤井実彦氏が最初にSAMを説明。SAMとはソフトウェア資産管理のことで、どのソフトウェアを使用しているかを知る、購入済みのライセンスを正確に知る、ソフトウェアのインストールおよび購入について継続的適切な管理方法を知ることで、すでに所有しているソフトウェアの重複購入の回避、ソフトウェアの総所有コスト(TCO)を削減できるとした。

ソフトウェア資産管理を説明するインテリジェントワークス 営業部長 藤井実彦氏

不正コピーの防止だけでなく、バージョンアップなどを適切に行うためにソフトウェア資産管理が必要なことを解説

このようなソフトウェアの権利管理を行う団体として、国内企業で作られたSAMConと国際団体のBSAが存在する。BSAは2006年5月にビジネスソフトウェア産業の継続的な成長を促すため、SAMプロセスについて規定したISO/IEC19770-1を策定。SAMのマネージメントシステムを導入する時にフレームワークとして活用できる。2007年11月にはSAMConがソフトウェア資産管理基準Ver.2.0を策定。日本版SOX法によるIT全般統制の遵守のためのより実践的なノウハウが詰め込まれている。

SAMのメリットとして、経営者は株主に対してIT資産の説明責任を担保でき、社内内部統制を遵守できる。情報システム・内部統制担当は、不正コピーなどのライセンス違反で訴えられることもなく、バージョンアップやパッチの適用が困難なセキュリティ上の問題を未然に回避したり、ISO27001や日本版SOX法の定期監査で常に適切な管理レポートが提出できたりするとした。

日本版SOX法に対応するためにもソフトウェア資産管理が必要としている

経営者もソフトウェア資産管理を導入することで、株主への説明責任が果たせるとした

続いて、インテリジェントワークス 代表取締役 神山邦彦氏がSAMを効率的に行うための「CWS2-SAMファインダー」を紹介した。

2007年11月にリリースしたコンテンツウォッチャースマート Ver 1.0では、資産管理、PC操作ログといった機能は持っていたが、10,000台を超えるような大規模のPC管理の負荷には耐えられなかった。「CWS2-SAMファインダー」は、このような問題を解決した「コンテンツウォッチャースマート2」をベースに、資産管理モジュール「SAMファインダー」を組み込んでいる。さらに、7月には操作ログモジュール、11月にはデバイス制御モジュールを投入していくとした。

「CWS2-SAMファインダー」を紹介するインテリジェントワークス 代表取締役 神山邦彦氏

「コンテンツウォッチャースマート2」をベースにモジュールを追加

「CWS2サーバ」「ミドルレイヤー」「CWS2エージェント」から構成される

「CWS2-SAMファインダー」のシステムは、データベース、Web管理サーバ用の「CWS2サーバ」、分散モジュール「ミドルレイヤー」、クライアントインストールモジュール「CWS2エージェント」から構成。「ミドルレイヤー」は1台で1000エージェントまで管理でき、それを超える場合は「ミドルレイヤー」を増やすことで対応できる。小規模の管理なら、「CWS2サーバ」と「ミドルレイヤー」を1サーバで構築することも可能だ。

機能としては、独自のエージェントID、HTTPS暗号化、自動アップデートなどを備える。独自のエージェントIDにより、仮想化OS(VMWare)、複数OSの起動に対応。自動アップデートでは、WindowsとMacが混在したクロスプラットフォームでも自動更新でのアップデートが可能となっている。IT資産管理用には、CPU、メモリ、HDD、ネットワークといった「ハードウェア情報」、アプリケーション名、フォント名、ライセンスといった「ソフトウェア情報(SAM機能)」、すべての情報から検索できる「資産検索」、検索結果や集計結果をCSVファイルで出力する「情報CSVエキスポート」などの機能を搭載している。

メイン画面では、どのマシンがどのOSを搭載していて、どの部署に所属しているかが一目でわかる

OS、メモリ、CPUなど、さまざまなキーワードを使ってPCを検索可能。そこから必要な資産管理情報を調べられる

アプリケーションはAjaxを利用しているためWebブラウザで操作。グループウェアのようなインタフェースを持つ。

PCを指定してソフトウェア情報を表示させたところ。アプリケーション名からバージョン、パス、シリアルキーまで表示できる