米Intelは2月10日 (現地時間)、米サンフランシスコにおいて32nmプロセスルールを採用したプロセッサの動作デモを披露した。また今後2年間で米国の半導体製造施設に70億ドル (約6400億円)を投資する計画を発表した。これは32nm製造プロセスへの移行・展開に向けた設備投資で、新しい製造プロセス向けとしては過去最大規模になる。

25セント硬貨とならべてWestmereプロセッサを見せるIntelバイスプレジデントのSteve Smith氏

Westmereのテストシステムで、モバイルとデスクトップそれぞれのプロセッサをデモ

32nmプロセステクノロジでIntelは第2世代のHigh-k + メタルゲート時代に移行し、現在の45nmテクノロジを上回る実装密度、パフォーマンス、消費電力効率の向上を目指す。9 copper + Low-kインターコネクト・レイヤとなる32nm世代プロセッサでは、クリティカルなレイヤに初めてimmersion lithography技術が採用される。

32nmプロセスルールで製造される最初のプロセッサは「Westmere」になる。Nehalem世代のマイクロアーキテクチャをベースに、グラフィックス統合を含むMCP (Multi-Chip Package)プロセッサであるのが特徴。ディスクリートおよびスイッチャブルなグラフィックスにも対応する。Turbo Boostテクノロジ、Hyper-Threadingテクノロジを搭載。AESアクセラレーションをサポートする。

IntelはWestmereの製造を2009年第4四半期に開始する予定で、まずはメインストリーム・デスクトップ向けに"Clarkdale"、メインストリーム・カテゴリのモバイル向けに"Arrandale"を提供する。Westmereに対応する5シリーズ・チップセットをベースにしたプラットフォームは09年後半にリリースされる見通しだ。2010年にはサーバ市場にもWestmereファミリー製品を投入、また6コアの"Gulftown"も計画している。

Westmere対応デスクトップ向けマザーボード

初の32nm Westmere製品は、45nm High-k + メタルゲートプロセスによるグラフィックス/ メモリー・コントローラを備えたMCPプロセッサ

ClarkdaleとArrandaleは2コア/ 4スレッド + iGFX。ハイエンド・デスクトップ向けGulftownは6コア/ 12スレッドになる

設備投資計画は米ワシントンDCのEconomic ClubでIntel CEOのPaul Otellini氏が明らかにした。32nmプロセス製造に向けて、Intelはオレゴン州 (D1D、D1C、AFO)、アリゾナ州 (Fab 11x)、ニューメキシコ州 (Fab 22-32)にある既存施設の製造工程を強化・補強する。これらの米国施設では約7000人の技術者をサポートする見通しだという。