米Intelは21日(現地時間)、市況悪化による需要減に合わせる形で同社の製造施設閉鎖を含む新たなリストラプランを発表した。旧式のFab計5つを閉鎖する予定で、全世界の従業員5000~6000人に影響があると同社では説明する。また閉鎖されるFabには米カリフォルニア州サンタクララの同本社内にあるD2も含まれており、今回の発表でシリコンバレー内にあるIntelのFabはすべて消滅することになった。
今回閉鎖の対象となるのは、マレーシアのペナンにある組み立て検査施設2つと、フィリピンのカヴィーテにある同施設の計3つ。米オレゴン州ポートランド郊外のヒルズボロにある200mmウェハの製造施設であるFab 20、そしてサンタクララのD2の計5つ。施設閉鎖後もすべての従業員が解雇されるわけではなく、ケースに応じて他の施設への転属などが打診され、2009年末までに異動が完了する見込み。なお、今回のリストラで最新の45nmや32nmといった最新プロセスの製造設備は影響を受けない。あくまで需要減を受けた製造設備の集約にあるとIntelは強調する。
今回の話の最大のポイントはD2の閉鎖だ。最新プロセスの開発など、Intelの研究・製造設備の拠点のほとんどがヒルズボロに集約されていることは広く知られているが、新興の半導体企業としてシリコンバレーで産声を上げたIntelが、同地での最後のFabを閉鎖したことは感慨深い。今回の発表でサンタクララの拠点は、事実上マーケティングと本社機能が集約される場所となり、研究開発はヒルズボロという形でよりいっそう明確に棲み分けされる。