ソニーは15日、AVCHD HDDデジタルハイビジョンハンディカム「HDR-XR520V」、「HDR-XR500V」、「HDR-XR100」と、AVCHD デジタルハイビジョンメモリースティックハンディカム「HDR-CX120」を発表した。発売は2月20日で、価格はオープン。市場推定価格は、HDR-XR520Vが15万円前後、HDR-XR500Vが13万円前後、HDR-CX120/ HDR-XR100が10万円前後。

暗所での低ノイズ撮影を実現する裏面照射型CMOSセンサー「Exmor R」を世界で初めて採用したデジタルハイビジョンハンディカム「HDR-XR520V」「HDR-XR-500V」

「HDR-XR520V」「HDR-XR500V」は、新開発のCMOSセンサー「Exmor R(エクスモア アール)」を初めて採用したモデル。Exmor Rは、クリアビットCMOSセンサーの裏側に受光面を設けたもの。HDR-XR520V/ HDR-XR 500Vに採用されているExmor Rのサイズは1/2.88型、有効画素数は、静止画撮影時は600万画素で、動画撮影時には415万画素。

同社では、裏面照射型CMOSセンサーの試作開発の成功を、2008年6月に発表している。裏面照射型CMOSセンサーは、表面から照射する一般的なCMOSセンサーに比べて、受光面に配線やトランジスタなどの影響が現れないため、1つ1つの画素により多くの光を照射させることが可能となり、高感度を実現できる。しかし、実用化には構造上の問題から来るノイズの発生、混色などのさまざまな課題があったとのことで、それらを解決するために、裏面照射型CMOSセンサーに適したフォトダイオードとオンチップレンズなどを新たに開発したという。

Exmor Rは、従来のクリアビットCMOSセンサーに比べて、約6dBの高感度を実現している。これより、暗所での撮影時の増幅度を従来よりも低くすることができ、より、ノイズの少ない撮影が可能となった。さらに、アナログとデジタルの両方でのノイズリダクションも搭載。鮮明なフルハイビジョン映像を撮影可能だ。

HDR-XR520Vは240GB、HDR-XR500Vは120GBのHDDを内蔵しており、撮影時間は最高画質となる16Mbpsの「FH」モード(1920×1080i)で、HDR-XR520Vが約29時間10分、HDR-XR500Vが約14時間30分。また、音声は2chになるが、「LP」モード(5Mbps)を使用すれば、最大で、HDR-XR520Vが約101時間、 HDR-XR500Vが約50時間10分のハイビジョン撮影(1440×1080i)が可能だ。また、光学式の手ぶれ補正機構は、手ぶれ補正エリアを従来の10倍に拡大。補正効果を大幅にアップしており、歩きながらの撮影などでも、手ぶれを起こしにくくなっているという。さらに、家庭用ビデオカメラとしては世界で初めてGPSを内蔵。撮影時に位置情報の記録が可能なだけでなく、本体内に世界地図も内蔵。現在地を知ることも可能で、撮影したムービーの再生時にマップ上に示されている撮影場所から選択できる「マップインデックス」を搭載している。

コンパクトなサイズのフルハイビジョンハンディカム「HDR-CX120」「HDR-XR100」

「HDR-CX120」「HDR-XR100」はコンパクトタイプのデジタルハイビジョンハンディカム。採用されている撮像素子は、1/5型のExmor CMOSセンサー。Exmor CMOSセンサーは、HDR-XR520V/500Vに採用されているEmor R CMOSセンサーとは異なり、裏面照射型ではない。従来から採用されているクリアビットCMOSセンサーに、画素の列ごとにAD変換を行う「カラムAD変換」とAD変換の前後、つまりアナログの状態とデジタルの状態の両方でノイズリダクションをかける「デュアルノイズリダクション」をプラスしたものだという。有効画素数は、静止画撮影時には199万画素、動画撮影時には143万画素となっている。

HDR-CX120は、内蔵のフラッシュメモリー(16GB)とメモリースティック(メモリースティックPROデュオ、メモリースティックPRO-HGデュオが使用可能)に録画するモデルで(16GBのメモリースティックPROデュオが付属)、HDR-XR100は内蔵HDD(80GB)とメモリースティック(メモリースティックPROデュオ、メモリースティックPRO-HGデュオが使用可能)に録画するモデル。

HDR-CX120では、LPモード(5Mbps、1440×1080i)で内蔵メモリーと付属のメモリースティック合計で約13時間の撮影が可能。一方のHDR-XR100では、LPモードで内蔵のHDDに、約33時間30分の撮影が可能だ。