IPAは9日、ワンクリック詐欺による不正請求の急増をふまえ、注意喚起を行った。以下は、その内容である。

急増と無差別攻撃が行われるワンクリック不正請求

まずは、図1を見てほしい。

図1 IPAによせられたワンクリック不正請求・相談件数推移(IPAプレスリリース第08-21-132号より引用)

2007年11月に沈静化したと思われるワンクリック不正請求であるが、2008年3月より、急激に増加をみせている。これは、2007年11月に業者が逮捕されたことをきっかけに、一時沈静化がみられた。しかし、6月には過去最高を記録し、その被害の拡大が続いている。最近では、その手口の巧妙化、無差別化が進んでいるとのことである。

ワンクリック不正請求とは、アダルトサイトなどで、画面をクリックしただけで、本人の意思とは無関係に高額な利用料金を請求されるものである。このようなサイトでウイルスに感染すると、画面に数分おきに請求画面が表示されるといったものまである。

さらに、特徴として、

  • 年齢・性別を問わず、無差別に詐欺が行われる(これまではアダルトサイトに関係するものが主流)。
  • 検索サイトで、有名芸能人、ゲーム攻略、アニメサイトなどを検索した結果から、不正なWebサイトに誘導される。
  • 偽のWebサイトからの誘導される。

といった点が指摘されている。結果として、子供や高齢者などが被害にあうケースが増えている。ワンクリック不正請求は、これまでアダルトサイトの閲覧者にのみ関わることが多かった。攻撃目標が、一般化している点も大きな問題となっている。また被害者のほとんどが、ワンクリック不正請求の実態を知らず、さらに被害を拡大させている要素もある。