シャープ「Mebius PC-WE5EW」

「予算はかなり限られているが、書斎や寝室などでインターネットの閲覧や仕事をするのに使えるサブマシンが欲しい」という場合は、シャープの15.4型ワイドWXGA(1,280×800ドット)ピュアクリーン液晶を搭載したノートパソコン「Mebius PC-WE5EW」を検討してみよう。

Mebius PC-WE5EWは、シャープのオンラインショップ「シャープいい暮らしストア」限定のオリジナルモデルだ。店頭販売モデルとの違いは、搭載メモリ量を2GBデュアルチャネルから1GBデュアルチャネルに減らして12万9,800円(特別モニター価格)と価格を抑えながらも、「Microsoft Office Personal 2007」にくわえて「Microsoft Office PowerPoint 2007」がプリインストールされている点。ドキュメント作成などを目的としてOffice Personal 2007がプリインストールされている製品を購入しても、Office Personal 2007にはWord 2007/Excel 2007しか含まれていないため、利用頻度が高いPowerPoint 2007を別途購入することになって、トータルで見ると思いがけず費用がかかってしまったという経験がある人は多いのではないだろうか。Mebius PC-WE5EWならば、Word、Excel、PowerPointと主要なオフィスアプリケーションがすべて揃っているので、仕事を持ち帰って自宅で作業する場合でも追加投資を迫られることがないのが魅力だ。

Mebius PC-WE5EWのキーボード。独立テンキーだけでなく、矢印キーが他のキーより一段下がった独立レイアウトとなっているのも使いやすさを高めている

Mebius PC-WE5EWがビジネス用途に適しているもうひとつの理由は、15.4型ワイドというサイズの製品にしては珍しく独立テンキーを搭載している点だ。通常はデスクトップパソコンを利用しているというユーザーでも独立テンキーならばExcelなどの数字の入力がスムーズに行える。独立テンキーの分だけキーピッチは約19mmとサイズがやや小ぶりになっているが、主要キーはスクエアキーが採用されている上に特殊キーでも不自然に幅が狭いものはなく、フルサイズキーボードと比較しても使い勝手はまずまずだ。

次に仕様を見てみよう。CPUはモバイル AMD Sempron プロセッサ 3400+(2.2GHz)、チップセットはATI Radeon Xpress 1100、メモリは1GB PC2-5300 DDR2 SDRAM(512MB×2、最大2GB)という組み合わせになっている。価格からすると仕方がないことだが、最近ではローエンド向け製品でも少なくなってきたシングルコアプロセッサと1GBメモリという組み合わせは、プリインストールされているWindows Vista Home Premiumの利用には十分なスペックながらもやはり心もち長めの起動時間やもったりとした動作が目に付く。なお、3DMark06のCPU Scoreは676だ。

グラフィックス機能はチップセット内蔵のグラフィックスコアを使用していて、3DMark06の3DMark06 Scoreは163という結果となった。最初から用途の中にゲームが入っている場合にはあまりオススメできないのだが、ちょっとしたオンラインゲームならば低解像度で十分に楽しめるパフォーマンスとなっている。

ハードディスクは120GB Serial ATA HDD、光学ドライブは2層書込対応DVDスーパーマルチドライブが搭載されている。サブマシンとしてならば十分なハードディスク容量を備えている上、光学ドライブもDVD、CDともにメディアの種類を問わずに利用できる。また、その他の機能はIEEE802.11b/g対応無線LAN、100Base-TX/10Base-T LAN、IEEE1394と最低限必要なものがシンプルにまとめられている。なお、本体右側面にはUSBポートが用意されていないため、マウスを接続して利用するスタイルのユーザーはマウスのケーブルが短いとやや使いづらくなる点に注意しよう。

本体左側面。排気口、USBポート×1、IEEE1394(4ピン)×1、PCカードスロット、SDメモリーカード・メモリースティック・xD-ピクチャーカードに対応したマルチカードスロット

本体右側面には光学ドライブとHDDスロットがある

本体背面。LANポート×1、RGBコネクタ×1、USBポート×2、電源コネクタが配置されている

最後にバッテリの駆動時間をチェックてみよう。カタログでは約1.2時間となっているが、液晶ディスプレイの輝度を最大、省電力機能をすべてオフにした状態で「FINAL FANTASY XI Official BenchMark」をLowモードのデモモードでループさせ、自動的にスタンバイに入るまでの時間を測定してみたところ、51分だった。360(W)×258(D)×36.7(H)mmという本体のサイズと約2.6kgの重量を考えると持ち歩く前提の製品ではないことは明確だが、バッテリは家の中で電源をいれたままで部屋から部屋へ移動する時や急な停電の際のUPS代わりだと考えるのが妥当だろう。

トータルで見てみると、エントリ向けの性能ながらもOffice Personal 2007とPowerPoint 2007を搭載していて12万円台の価格は値頃感が強く、予算が厳しい場合の有力な選択肢のひとつになりうるだけの実力を備えている。また、最新の機能を追い求めてアップグレードが行われるメインマシンに対して、比較的長く使われる傾向にあるサブマシンとしては、通常の1年間のメーカー保証にくわえて2年間の延長保証が付属しているため安心して長く使い続けられるのも嬉しいところだ。安価でビジネスユース向きの「使える」サブマシンを探しているユーザーに強力におすすめしたい製品だ。

ベンチマーク

3DMark06 CPU Score 676
3DMark 163
フルパワーモードにてFFBenchをローモードでループさせたバッテリ持続時間 51分

スペック

CPU モバイル AMD Sempron 3400+
チップセット ATI Radeon Xpress 1100
メモリ 1GB(最大2GB)
グラフィックスチップ チップセット内蔵
ディスプレイ 15.4インチワイド ピュアスクリーン液晶ディスプレイ(1280×800ドット)
HDD 約120GB HDD (SATA)
光学ドライブ DVD±R/RWドライブ(DL対応)
有線LAN 内蔵(10BASE-T/100BASE-TX)
無線LAN 内蔵(IEEE802.11b/g)
Bluetooth なし
モデム なし
Webカメラ なし
その他の主な機能 とくになし
メディアカードスロット 内蔵(SD/MS/xD対応)
拡張カードスロット PCカードTypeII
インタフェース 外部ディスプレイ(D-Sub15ピン)、USB2.0×4、ヘッドホン出力、マイク入力、IEEE1394(4ピン)
本体サイズ 約360(W)×258(D)×36.7(H)mm
本体重量 約2.6kg
バッテリ駆動時間(公称) 1.2時間
OS Windows Vista Home Premium
価格 12万9,800円