FOXCONNはCeBITの会場にて、拡張スロットを10本も搭載した巨大マザーボード「F1」を公開、グラフィックカード4枚による8画面出力のデモで来場者の注目を集めていた。ATXフォームファクタの拡張スロット数は規格上7ポートまでだが、ハイエンドVGA×4枚でのCrossFire-X構成には窮屈すぎるため、独自に基板サイズを拡張した。
同社はこのフォームファクタを「Ultra ATX」と紹介していた。現時点で、formfactors.orgのサイトを見てもノーマルATX以上の規格は見当たらないが、同社はこの発表会をIntelと共同で開催しており、今後、正式な規格となる可能性はある。昨年のCOMPUTEXでは、Thermaltakeからスロット10本対応のケースも登場しており、業界として何らかの関連した動きがあったものと推測される。
F1はチップセットにIntel P45を搭載。そのままでは4VGA構成のためのPCI Express 2.0のレーン数が足りなくなるが、基板上にIDT製のPCI Expressブリッジを2つ搭載することで、PCI Express x16形状の4つのスロットは帯域が全てx8となっている。ちなみに、F1ではx16スロットは全て1スロット分の間隔が空いており、熱的な問題が少ないほか、2スロット厚のカードであっても4枚差しが可能になる。
そのほか冷却機構にも新技術を搭載した。通常、空冷や水冷では室温よりも温度を下げることはできないが、チップセットクーラーに熱電素子を内蔵することで強制的に熱を移動、室温から10℃温度を下げることが可能になったという。またチップセットとVRMは水冷となっていたが、パイプの接続口はバックパネル部に用意されており、取り扱いが容易になった。
F1はコンセプトモデルとして開発されたため、発売に関しては未定。しかし、これに搭載された新技術については、今後の製品に投入される可能性があるとしていた。