何もかも一足飛びにE-3
製品の成長にはいろいろなパターンがある。たとえば、一見すると従来のものとあまり変わってないようでも、実は少しずつ良くなっていて、世代を重ねるごとに洗練され、気がつくと大幅に完成度を高めているというもの。キヤノンの一眼レフはこのパターンだろう。対して、一世代で大幅に機能強化を行ない、従来製品とは比較にならないほど一足飛びに向上させることもある。E-3はこちらだ。もちろんE-1から時間が空いたということもあるが、高速なオートフォーカスやフリーアングルが可能なライブビュー、新しい絵づくりなど、E-1はもちろんE-410やE-510とも大きく違っている。それだけオリンパスの気合いが込められているのだ。
そのぶん、まだ熟成が足りなく感じる部分もある。AF駆動のトルク反動やフリーアングルモニターの弊害など、もっと洗練させてほしいとも思う。しかしプロ用カメラとして何が重要なのかを考えると、撮影者に多少スキルを求めるとしても、必要なシーンを確実に捉えることだろう。その点でE-3はまったく正しい。 (本文了)
|
|
花を撮影していたら蜂がやってきた。非常にシャープに写し取れている |
日が傾きはじめた頃のスズメ |
|
|
ブランコ連写中のひとコマ。なんだかいい感じなので採用 |
フリーアングル液晶を活かして、草むらから撮影 |
|
|
思いきり露出を上げて、葉を透過する光を狙った。ボケもいい感じ |
モノトーンモードではない。噴水に反射する光がきれいだったので、思いきりシャッター速度を上げてキラキラに |
|
|
夕暮れらしい色にしようとVIVIDにしたら、看板ばかり目立ってしまった |
遠景のビル。ちょっと以前のオリンパスらしい色になった |
|
|
逆光でハレぎみだが、これはこれで悪くない |
いい感じの写真だが、間違えてVIVIDで撮ってしまったのが残念 |
|
|
ほとんど真上を撮影。フリーアングル液晶は、こういった撮影も苦にならない |
木洩れ日が老木のむろを照らしていた |
テスト撮影: 川上卓也 (Mediart)
作例撮影: 平 雅彦/加藤真貴子 (WINDY Co.)
レポート: 西尾 淳 (WINDY Co.)