米Microsoftが、Office 97以降で使用されているバイナリファイルフォーマットの仕様を公開した。ライセンスにはMicrosoft Open Specification Promise (OSP) を適用、特許権を行使しない方針に転じたことから、一部に反対意見があるOffice Open XMLの標準化に一石を投じるものと予想される。
公開されたバイナリファイルフォーマットは、Word 97-2007 (.doc)、PowerPoint 97-2007 (.ppt)、Excel 97-2007 (.xls / .xlsb)、Office Drawing 97-2007の4種。仕様書はPDFとXPSの2種が用意され、メールアドレスの登録やライセンスの許諾確認といった手続きを行うことなく、自由にダウンロードできる。
仕様書がOSPに基づいて公開されることにより、サードパーティーによるOffice文書対応製品の開発を促す効果が期待される。また、Microsoftに対しロイヤリティを支払う義務も発生しないことから、オープンソースソフトウェアでの実装も進むことが予想される。
Microsoft Officeのプログラムマネージャを務めるBrian Jones氏は、Microsoftのサイト内にある自身のブログにおいて、この決断は1月に行ったECMA技術委員会 (ECMA TC45) への提案の履行であり、2007年9月実施のISO/IEC国際標準化投票で承認されなかったOffice Open XMLフォーマット提案 (DIS 29500) の補足であることを明らかにしている。