1月5日、横浜の赤レンガ倉庫でカジュアルオーディオショー「my-musicstyle vol.3」が開催された。同イベントは、オーディオ関連のイベントではあるが、オーディオマニアのためのものではなく、あくまでも一般の音楽ファンに向けたもの。普段聞いている音楽を、より楽しむためのシステムに触れてもらうことを目的としている。

ソニーのHDDオーディオレコーダー「NAC-HD1」、ケンウッドのレシーバー「R-K1000」、Klipschの「RB-51」を組み合わせたシステム

ケンウッドのCDプレーヤー「DP-K1000」に、フライングモールのプリメインアンプ「CA-S3」、ANTHONY GALLOのスタイリッシュなスピーカー「MICRO SATELLITE」

会場は、「フリースタイル」「リラックス&インフォメーション」「リクエスト」の3つのゾーンに分けられており、フリースタイルゾーンではスタッフが選曲したプレイリストを再生。リクエストゾーンでは、来場者が、普段自分が聞いているディスクやデジタルオーディオプレーヤーなどを持ち込んで、展示してあるシステムで演奏させるというスタイルを採っている。また、リラックス&インフォメーションゾーンには、小音量で音楽を聴くためのサイレントブースと、ヘッドホンコーナーが設けられている。会場で演奏されている曲はROCKやPOPSが中心。こういうスタイルということもあって、来場者の中心は、20~30代と、一般的なオーディオ関連イベントとはかなり世代に開きがある。

CECのCDプレーヤー「CD-3300R」にデノンのプリメインアンプ「PMA-390AE」の組み合わせ

さまざまなヘッドホンを聴き比べられるヘッドホンコーナー

ところで、音楽を聴く道具に何を使っているだろうか。現在ポピュラーなのは、iPodなどのデジタルオーディオプレーヤー、それと外付けのアクティブスピーカーという組み合わせだろう。また、ミニコンポも相変わらず大きなシェアを持っている。こういった機器も決して悪くはないが、もう少し能力の高いシステムで聞いてみると、普段聴いている音楽が、まるで別なものに聞こえるというケースがけっこうある。my-musicstyleは、それを体感できるイベントだ。

既存のオーディオ関連のイベントでは、各メーカーごとにブースが設けられているケースが多い。各メーカーでは、そのメーカーが持っている製品の中でも、もっとも優れたもの、つまり、フラッグシップモデルや、新製品などを組み合わせたシステムが展示されるという結果になる。もちろん、これはこれで参考にはなるのだが、そういった何百万円もかけたシステムは、デジタルオーディオプレーヤー+アクティブスピーカーやミニコンポを使用しているリスナーが、スピーカーを代えたい、あるいはもう少し上のクラスの機器にステップアップしたいと思った時にの参考にはならない。

一方、各メーカーでは、当然、普及価格帯の製品をリリースしていて、実際のセールスはそちらの方が中心になっている。しかし、それらの製品は、各種イベントでは展示されることが少なく、試聴の機会といえば、店頭で、というのがほとんどになるはずだ。ただ、試聴できる状態で展示されている機器は、店頭というスペースの中ではどうしても限られた種類になるし、店頭はあくまでも店頭で、購入を前提とした試聴ならばともかく、ただ聞きたいからというために行くというのには二の足を踏むという人も多いだろう。

my-musicstyleでは、メーカーごとのブースという形態は採っていない。展示されているシステムは、集まった機器という制約の中で、より、ROCK/POPSを楽しめる組み合わせを、スタッフが試行錯誤した結果だという。また、展示されている機器は、my-musicstyleに賛同している各メーカーの、エントリー~ミドルクラスまでのモデルがほとんどで、システムとして組み合わせた場合でも、定価ベースで20万円台から一番高いものでも50万円台と、普通の音楽ファンにとって、現実的なラインだ。

今回のmy-musicstyleは、1月5日の1日のみ開催された。というのも、my-musicstyleの主催はmy-musicstyle実行委員会となっているが、委員会といっても、その実態は、オーディオショップなどの若手が中心となったボランティアだ(今回は約30人が参加)。今後も、体力と気力が続く限りmy-musicstyleを継続していきたいとのことだ。小誌でも、今後の動向をお伝えしていきたい。