ソニーは、新開発の有効1224万画素 CMOSセンサーとボディ内手ブレ補正機構、ハイビジョン出力が可能なHDMI端子を搭載し、秒5コマの連続撮影が可能なデジタル一眼レフカメラ「α700(DSLR-A700)」を発表した。価格はオープンだが、推定市場価格はα700ボディ(単体)が18万円前後、DT 16-105mm F3.5-5.6とのキットが23万円前後。発売は11月16日より。
「α700」はソニーαシリーズのなかで、ハイアマチュア向けの中級モデルに位置づけられる。すでに発売されているα100(およびその後継)が入門機、α700の上に"フラッグシップ機"が想定されている。
「α700」に採用された撮像素子は、「Exmor」(エクスモア)と名づけられた新開発の有効1224万画素CMOSセンサー。画像処理エンジン「BIONZ」も進化した。デュアルノイズリダクション回路やRAWノイズリダクションなどにより、低ノイズを実現している。撮像感度は通常ISO 3200まで、感度拡張でISO 6400まで可能である。
画像処理エンジンやハイパワーコアレスモーターなどの搭載、連続撮影シーケンス制御の最適化などにより、最高秒5コマの連続撮影を実現した。連続撮影枚数は、JPEGのスタンダード/ファインでは制限なし(カード容量による)、JPEGエクストラファインで16コマ、RAWで18コマ、圧縮RAW(cRAW)で25コマとなる。また、シャッター耐用回数は約10万回、最高シャッター速度は1/8000秒となっている。
α100に続き、α700もボディ内手ブレ補正機構を搭載する。補正効果はシャッター速度に換算して約2.5~4段分。ソニー製レンズはもちろん、コニカミノルタのαレンズでも有効になる。オートフォーカスは、新開発の11点AFセンサー。画面中央部には、縦横のクロスセンサーを二重に使用し、さらに高精度のF2.8センサーを重ねて配置する「デュアルクロスセンサー」仕様。オートフォーカスの精度が格段に向上したという。光学ファインダーは視野率95%、倍率0.9倍。また、フォーカシングスクリーンにはピントの山がつかみやすい「スフェリカルアキュートマット」を使用している。
ボディの外装の上部・前部カバーにマグネシウム合金、ボディ内部のシャーシには高剛性のアルミ素材を採用し、堅牢性を確保しつつ、約690gの重量を実現した。また、各操作ボタン、ダイヤル部、カード挿入口などに、水滴や埃が入りにくいシーリング部材を使用し、防塵・防滴に配慮した構造とした。スロットはコンパクトフラッシュとメモリースティックデュオが使用できるデュアルスロットを搭載している。
背面のモニターは、約92.1万画素、3.0型のエクストラファイン液晶。270ppiのキメ細やかさに加え、色数1,677万色表示、α100に比べて2.8倍の高いコントラスト再現力を実現した。反射や映り込みを抑える多層膜コーティング処理「ARコート」も施されている。モニターには撮影情報の表示を行なうが、ここからファンクションボタンを押すことでISO感度や露出補正、ドライブモード、ホワイトバランスなどの設定や変更が可能になる「クイックナビゲーション」を採用した。また、ハイビジョン静止画出力に対応したHDMI端子を搭載。同社のテレビ「ブラビア」などに接続すれば、高精細な画質で表示できる。
画質の設定は「クリエイティブスタイル」と名づけられ、スタンダード/ビビッド/AdobeRGB/ポートレートなど14種類から選択できる。暗部を明るく写すなどの機能をもつ「Dレンジオプティマイザー」も進化し、「アドバンスモード」では補正効果を1~5段で選択できるレベル設定やブラケット機能も搭載した。
別売のアクセサリーとしては、縦位置グリップ「VG-C70AM」、ソフトキャリングケース「LCS-AMLC2」、同「LCS-SC20」などが用意される。縦位置グリップは、本体と同じくマグネシウム合金の外装や各種シーリングを採用。バッテリーは2個搭載できる。