台湾ACARD Technologyは、PCの5インチベイに内蔵可能なRAMディスク製品「ANS-9010」を展示していた。DDR2-400/533/667/800メモリに対応しており、6スロットで最大48GBのRAMディスクを構築できる。発売は今年第3四半期の予定だ。

5インチベイ内蔵型の「ANS-9010」。内部の撮影は不可だったが、DDR2用のDIMMスロットが6本並んでいた

RAMディスクは通常のHDDに比べ、高速な読み書きができるのが特徴である。物理的なヘッドの移動がない分、ランダムアクセスにも強く、ディスクアクセスの頻度が高いアプリケーションでは特に威力を発揮する。最近、フラッシュメモリを搭載したSSD(Solid State Drive)が話題だが、RAMディスクも一種のSSDと言える。

以前、GIGABYTEからDDRメモリを使った「i-RAM」という製品が発売されたことがあったが、ANS-9010はDDR2メモリに対応。どのみちボトルネックはPCとのインタフェースになるので、速度自体にはそれほど影響はないと思われるが、入手性や価格を考えると、DDR2メモリへの対応は必須だ。

これがi-RAM。PCIバスからは電力のみ供給されており、インタフェースはSATA。一時品薄になるほどの人気だった

i-RAMには5インチベイ内蔵型も。かなり前から展示はされているのだが、発売されたという話は聞かないような

ANS-9010には2.5インチHDDを格納するスペースも用意されており、停電時にはメモリからHDDへのバックアップが自動的に行われる。もちろんそのためのバッテリも内蔵されており、復帰時にはHDDからのリストアも可能だ。

さらにもう1点、特徴的なのはPCとのインタフェース。ANS-9010ではSATA IIが採用されているのだが、背面にはこれが4コネクタも装備されており、PC側でストライピングすることでデータ転送レートはなんと最大800MB/sにもなるという。前述のように、ボトルネックになるのはこの部分なので、複数の接続で高速化するのは効果的だろう。

ANS-9010の背面。左側にSATAコネクタが4つ搭載されている。メモリの領域は自動的に分割されるそうだ

ベンチマークソフト「Iometer」の結果を紹介していたが、43,000という、かなりとんでもないスコアを出していた

最近はSSDの価格も下がってきており、この製品が競争力を持てるかどうかは発売価格にもよるだろう(来月に発表予定だという)。あとは入手できるかどうかだが、じつはこの製品、会場で偶然会った某パーツショップの店員さんから教えてもらったものなので、国内でも販売される可能性は高い。購入を考える人は、メモリが安い今のうちにモジュールをたくさん買っておくのもいいだろう。

3.5インチベイ内蔵型の「ANS-9011」も。こちらはDDR2のSO-DIMMを最大4枚まで利用できるもので、同様に内蔵したコンパクトフラッシュへのバックアップが可能だ