JFEスチールは3月18日、塊や粉体など堆積物のある路面での高能率な自動清掃を可能としたロボット「GAZMASTAR-S」を開発し、西日本製鉄所(広島県福山市)に導入したことを発表した。

  • 高能率自走式清掃ロボット「GAZMASTAR-S」

    高能率自走式清掃ロボット「GAZMASTAR-S」(出所:JFEスチール)

JFEスチールは、労働生産性のさらなる向上を目指し、作業のリモート化や自動化ロボットの活用に取り組み、DXを積極的に推進している最中で、複雑作業や危険作業など負荷の高いものを中心に、人間の作業を代替するロボットの導入を進めているという。

製鉄のプロセスでは、鉄鉱石や石炭などの塊や粉体を含む原料を扱う設備があり、こうした設備では人手による清掃作業を実施しているとのこと。しかしこれらは、設備周辺の狭い場所や低い場所での重筋作業となることが多い上、粉塵環境にもなるなど作業負荷が高いことから、自動化へのニーズが大きかったとする。

そこで同社は、作業負荷の高い清掃作業を自動化する難条件対応型を含む高能率自走式清掃ロボットを、「GAZMASTAR」シリーズとして開発。今回発表されたGAZMASTAR-Sは、同シリーズの標準機となる。

同ロボットは、清掃場所に応じて清掃機構の一部を必要に応じて交換するだけで、四輪駆動で低重心の車体により、狭い場所や小さな段差のある場所などで高い清掃能力を発揮するとのことだ。また、清掃エリアにおける学習済みの障害物マップと測域センサからの現在地情報を比較して自己位置推定を常時行い、清掃ルートを自動追従しながら堆積物を清掃するという。

  • 清掃前後の比較

    GAZMASTAR-Sによる清掃前後の比較(出所:JFEスチール)

  • ロボットの自己位置推定イメージ

    ロボットの自己位置推定イメージ(出所:JFEスチール)

さらに、多量の粉体によってタイヤがスタックする場合への対策として、清掃の全体ルートを細かく分割し、各部分ルートの所要時間をモニタリングすることで、一定以上の時間が経過した場合にスタックが発生と判定。その後、当該箇所をスキップして次のルートから清掃を再開するという異常処理機能も開発・搭載しているとする。

加えて、ロボットのバッテリが一定の値を下回った場合には、充電スタンドまで自動で帰還してワイヤレスでの自動充電を実施。これにより連続自動清掃が実現される。なお運用にあたっては、手持ちのタブレット上で操作および状態状態確認が可能だとしている。

JFEスチールによると、GAZMASTAR-Sについてはすでに製銑工程において検証耐久試験を実施しており、今後は同社全地区の製鉄所内に展開することで、粉塵清掃などの負荷の高い作業の一部自動化を推進するという。また、今後も操作性などを向上させ、より汎用性の高い同ロボットを製鉄所内のさまざまな設備における清掃作業に導入することで、さらなる作業負荷の軽減、および安全性・生産性を向上した働きやすくきれいな製鉄所を実現していくとした。