イノベーションセンターでは画像や音声、無線、デバイス、メカトロなどのコア技術を開発。ディープラーニングを活用した画像センシングソリューションや、300メートル先を飛ぶドローンの検知技術、異音検知による設備監視、温度変化から構造物の応力を見える化する非破壊検査、水中ロボットによるダムの耐点検作業に応用している例などを示した。

さらに、プライベートイベントであるSolution Japanを通じたソリューション展示をはじめ、パナソニックセンターを活用した技術交流会、デザインシンキングやワークショップなどによる共創、プロタトタイプを使ったフィールドでの実証実験など、パートナーとの共創活動を推進していることも示した。

パナソニック コネクティッドソリューションズ イノベーションセンター 所長の江坂 忠晴氏

パナソニック コネクティッドソリューションズ イノベーションセンター 所長の江坂 忠晴氏は、「2016年度には、パナソニックセンターを利用したソリューション提案は158回、111社にのぼり、神奈川県にある佐江戸の拠点を活用した共創の場では、63回の社内外交流を行った」と実績を強調。さらに、しゃべった日本語を英語や中国語などに翻訳して、拡声器から発声する「メガホンヤク」では、30社以上とフィールド実証実験を行ったという。

「パナソニックは、BtoCおよびBtoBの領域において、多種多様なデバイスを多数持っている。また、ユニークなIoT暗号化技術、セキュリティ技術、多彩なネットワーク技術ノウハウもある。IoT技術で、デバイスとソリューションをつなぎ、顧客価値をさらに向上させるために、パナソニックのIoTプラットフォームの強みを生かし、今後、IoTを強力に打ち出していきたい」(江坂氏)

コネクティッドソリューションズ社の2018年度の業績見通しは、売上高が7.5%増の1兆1860億円、営業利益は27.5%増の880億円、営業利益率7.4%となる。そのなかで、パナソニック システムソリューションズ ジャパンは、2016年度実績で2879億円の売上高を、2017年度には3000億円、2018年度には、3200億円に引き上げる計画。

つまり、コネクティッドソリューションズ社の3割弱の売上高を、パナソニック システムソリューションズ ジャパンが担うことになる。これは、コネクティッドソリューションズ社の樋口社長が目指す「将来的には10%以上の営業利益率」を実現する基盤となる。