Analog Devices(ADI)は、自動車の安全システムや車載インフォテインメントアプリケーションで使われるアナログビデオシステム向けにビデオアンプ4品種を発表した。

同製品群は、ビデオディファレンスアンプでシングルチャンネルの「ADA4830-1」とデュアルチャンネルの「ADA4830-2」、アナログビデオフィルタアンプでシングルエンド出力の「ADA4432-1」および差動出力の「ADA4433-1」がラインナップされている。STP(シールドツイストペア)やUTP(非シールドツイストペア)ケーブルで、アナログビデオ信号を転送するためのチップセットとなっている。

また、ビデオシグナルチェーンの一部として、単独で「ADA4830-1/2」をレシーバ機能、「ADA4432-1/33-1」をトランスミッタ機能をとして用いることもできる。すべて18Vまでのバッテリ短絡保護やグラウンド短絡保護、故障検出機能の集積、広い同相電圧範囲、ロバストなESD耐性が特徴。3mm角の小型パッケージを採用しており、個別素子のみのソリューションと比べて、ボード専有面積を80%以上削減できる。このため、車載用リアビューカメラなどのスペースに制限のあるアプリケーションに最適という。動作温度範囲は全て-40~+125℃。

「ADA4830-1/2」は、標準解像度のPAL/NTSC規格ビデオアプリケーションにおけるCVBS対応のレシーバ向けとなっている。3~5Vの単一電源で最高18Vのバッテリ短絡保護機能(入力)だけでなく、入力の故障状態を知らせるバッテリ短絡フラグを内蔵する。また、最高±8kV(HBMモデル)という優れたESD(静電荷充放電)許容度、グランドの下-8.5Vまでの広い入力同相電圧範囲、7MHzで55dBの同相ノイズ除去性能も備えている。

「ADA4432-1/4433-1」は、車載アナログビデオフィルタリングアプリケーション向けのトランスミッタ用となっている。ADA4830と同様、18Vのバッテリ短絡保護(出力)、故障フラグ、および±8kV(HBMモデル)の許容度に加え、連続した出力グラウンド短絡保護と優れたビデオ仕様が特徴。-3dBカットオフ周波数が10MHzで27MHzの場合、45dBの除去性能を持つ高次ビデオフィルタを内蔵する。

なお、パッケージはサイズがすべて3mm角で、「ADA4830-1」が8ピンLFCSP、「ADA4830-2」が16ピンLFCSP、「ADA4432-1」が8ピンLFCSPと6ピンSOT23、「ADA4433-1」が8ピンLFCSP。価格は、1000個受注時で「ADA4830-1」が0.69ドル、「ADA4830-2」が0.89ドル、8ピンLFCSPの「ADA4432-1」が0.53ドル、6ピンSOT23の「ADA4432-1」が0.47ドル、「ADA4433-1」が0.89ドル。すでに量産出荷を開始している。

車載アプリケーション向けビデオアンプシリーズ