Analog Devices(ADI)は5月24日、産業機器向けアナログ3軸高gMEMS加速度センサ「ADXL377」を発表した。

同製品は、衝突や振動がもたらす強い衝撃の加速度を±200gのフルスケール、かつ信号が飽和することなく測定できる。広い測定範囲と、衝撃データを連続してとらえるアナログ出力を組み合わせており、身体を振とうさせる激しい衝撃を検出して外傷性脳損傷(TBI)の兆候を捉えることができるため、対戦相手と接触するコンタクトスポーツに最適であると同社では説明しているほか、帯域幅が1600Hzと広く、衝撃のレベルを綿密に監視する必要のある産業機器にも適しているという

また、1つで3軸の加速度成分を検出可能なため、直交する複数のセンサを組み合わせて配置する必要がなくなり、設計を簡素化できるようになる。ボード面積も、1軸加速度センサを複数搭載するのに比べて、1/5まで削減できる。消費電力は300μA(Typ)、単電源動作は1.8V~3.6V、1万g衝撃耐性を有する。

「IZOD 2012・インディカー・シリーズ」のドライバー衝突安全システムとして製品コンセプトの段階からADIと連携しており、すでに採用されているという。具体的には連絡用イヤフォンに搭載し、これを練習中やタイムトライアルに用いて、レース中の衝突によってもたらされるドライバーへの衝撃の測定に使用しているという。

なお、パッケージは3mm×3mm×1.45mmの16ピンLFCSP。価格は1000受注時で4.79ドル。すでにサンプル出荷を開始しており、量産開始は9月を予定している。

産業機器向けアナログ3軸高gMEMS加速度センサ「ADXL377」