計測機器大手Agilent Technologiesの日本法人であるアジレント・テクノロジーは、液体クロマトグラフ(LC)用の検出器「1200 Infinityシリーズ ハイダイナミックレンジ・ダイオードアレイ検出器(HDR-DAD)」を発表した。

同製品は従来品比で、30倍のUVリニアダイナミックレンジ(直線性)と最大30倍の感度を実現。これにより、直線性の吸光度上限が2桁から6桁にまで上昇したほか、検出器のノイズを10分の1に低減しつつ、3倍の量の試料を注入することが可能となったり、主要化合物と不純物の分析・定量を最大30倍の感度で同時に行うことが可能になるという。

また、コンプレヘンシブ2次元分離、およびハートカッティング2次元分離の両方に対応した「Agilent 1290 Infinity 2D-LC(2次元液体クロマトグラフ)ソリューション」も併せて発表した。

1290 Infinity バイナリポンプと新開発の2D-LCバルブをベースとしたもので、同システム用ソフトウェアは2D-LCメソッドの構成やセットアップを数分で行うことが可能なほか、2つの異なるモードでのHPLC分離を1つの2D-LC分析に統合したことで、従来のLCと比べて分離性能の向上を果たしたという。

さらに、バイナリ・システム並みのグラジエントの正確さを実現したクォータナリUHPLCシステム「Agilent 1290 InfinityクォータナリLCシステム」も発表している。

新開発の最大120MPaの耐圧を実現した「Agilent 1290 Infinity クォータナリ・ポンプ」をシステムのベースとして採用している。同ポンプは、アクティブ・ダンピング、高分解能のポンプ制御に加え、新開発のInlet WeaverやJet Weaverミキサなどの独自のマイクロ流体技術を搭載しており、高圧ミキシング・バイナリ・ポンプ並みのグラジエントの正確さを実現している。

システム全体としては、実績のある1290 Infinity ダイオードアレイ検出器を搭載しているほか、今回発表されたHDR-DADを使うことで、直線性範囲を最大30倍改善することが可能。サンプリングレートは160Hzで、1290 Infinityオートサンプラや1290 Infinity サーモスタット・カラム・コンパートメントもシステムとして搭載しているという。