真の技術継承者!? - 果物屋のオヤジのスゴワザとは

異国エジプトで、ダブルワークならぬトリプルワークをこなす「おろぐちともこ」が、仕事を含む現地生活をマンガとコラムでご紹介。ピラミッドだけじゃない「エジプト」をご堪能ください。(毎週火曜更新予定)

【果物屋のオヤジのディスプレイスキル】
「砂漠にピラミッド」のイメージが先行しがちですが、実は「フルーツ大国」なエジプト。マンゴー、バナナ、いちご、ザクロなどの季節の果物が、日本では考えられないほど安い値段で売られています。

カイロの路上にはフルーツの屋台や果物屋さんがならび、気のいいオヤジやお兄ちゃんたちが「甘いよ! 安いよ!」と呼び込みをしています。その声に誘われて屋台に近づいてみると、売り場の台にはピラミッド型に積み上げられた果物が!

これぞフルーツピラミッド……!

オヤジたちがちまちまとフルーツピラミッドを作る様子は何ともほほえましいのですが、その積み上げ作業のセンスと技術には驚かされます。その技を見ると、古代エジプトのピラミッド技術はフルーツ屋台のオヤジに継承されたのでは…? と、思うほど。

季節によって積み上げられるフルーツは違います。オレンジはそこまで大きくないので比較的簡単そうなのですが、大きなスイカはもちろん、形の不ぞろいなイチゴまでもオヤジの手にかかるとビシッと積み上げられます。

果物を買いに行くたび、緻密に積み上げられたピラミッドを見て「美しい……」と1人感心するおろぐちなのでした。

※ちなみに、美しく積み上げられたフルーツピラミッドから果物を取ろうとすると、「そこからは取らないでっ!」とオヤジの悲鳴が上がることもあります。エジプトで果物を買う方はご注意を。

おろぐちともこ
大学で古代エジプト史を専攻し、2011年よりカイロ在住。日々、エジプト人観察に励む。
現在はWebやエジプト人による日本語雑誌の漫画を執筆したり、デジタルアシスタントをしたりと、国境を越えて活動中。至上の喜びは、素敵なカフェで水タバコの煙をゆらしながら、ぼけっとお茶をすること。生活記Blogつぶえじでは、現地の生活の様子を不定期に発信している。