連載4回目は、下痢です。下痢の原因として、どのような病気が考えられるのでしょうか。また、便の状態で危険性を判断する方法は?

Q.下痢の原因として、どのような病気が考えられますか?

赤ちゃんであれば、まず、乳児疝痛(せんつう)の可能性が考えられます。そして、その場合には、赤ちゃんが泣いてお知らせしてくれます。うんちを出す前であったり、おなかがすいていたりという状況がなく泣いている場合、その可能性は高いでしょう。最近では乳児疝痛を緩和するサプリメントも販売されていますが、生後3~4カ月で症状が消えてしまうケースがほとんどです。

そうでなければ、感染性胃腸炎であることが多いと思います。

Q.注意すべき便の状態を教えてください

正常な便の色は、黄色・茶色・緑ですが、注意したいのは白っぽくヨーグルトのような少しすっぱいにおいのする便です。鼻を突くようなにおいのある便は、感染性胃腸炎による便である可能性が高いと思います。家庭内で感染が広がらないよう、必ず使い捨てのビニール手袋でおむつ交換や処理をし、手洗いうがいを徹底しましょう。

また乳幼児は大人に比べて、体面積における水分量が高くなっています。脱水症状に陥りやすいので、どんな下痢であっても、受診をお勧めします。

※未就学児童の症状を対象にしています
※危険だと感じた場合は、本記事の内容に関わらず、病院での受診をお勧めします

イラスト: 山本ユウカ

竹中美恵子先生

小児科医、小児慢性特定疾患指定医、難病指定医。
アナウンサーになりたいと将来の夢を描いていた矢先に、小児科医であった最愛の祖父を亡くし、医師を志す。2009年、金沢医科大学医学部医学科を卒業。以後、広島市立広島市民病院小児科などで勤務し、現在に至る。1児の母でもある。
日本小児科学会、日本周産期新生児医学会、日本小児神経学会、日本小児リウマチ学会所属。日本周産期新生児医学会認定 新生児蘇生法専門コース認定取得
メディア出演多数。2014年日本助産師学会中国四国支部で特別講演の座長を務める。150人以上の女性医師(医科・歯科)が参加する「En女医会」に所属。ボランティア活動を通じて、女性として医師としての社会貢献を行っている