前回の記事で機内持ち込み制限も会社によって違うと書いたが、携帯電話および電波を発する電子機器の使用制限も会社によって違うのである。

どこの国とは言わないが、離陸ギリギりまで携帯でしゃべりまくっている乗客に出くわす国は少なくない……

バスの前にOFFも機内後にOFFもある

その前にまず、LCCに乗る時に大手航空会社との大きな違いを実感するのが搭乗の時だろう。大手の場合は、2階以上のゲート(搭乗口)からボーディングブリッジ(搭乗橋)を使って乗り込むことが多いが、LCCではバスに乗り駐機場まで行ってタラップ(階段)を使って搭乗する。いわゆる"沖どめ"されている飛行機を利用するパターンだ。

特に混雑空港の成田やLCC向けのターミナルビルのある関空や那覇では、多くの場合がそのパターン。理由はタラップからの搭乗やLCCターミナルを使うと、コスト(経費)が安く上がるからである。

そして、ターミナルビルの外に出てから携帯電話を使うと、飛行計器に影響を及ぼす恐れがあるという説がある。そのため、ジェットスター・ジャパンではバスに乗り込む前に電源をOFFにするよう求められる。ところが同じように沖どめされている飛行機を使うのに、機内に入りドアがクローズされるまでは携帯電話OKというLCCもある。

最近の飛行機には影響がないとも

ちなみに、そうした携帯電話などの電子機器に関する規定は大手でも大きく異なる。日本の航空会社はドアがクローズされると携帯電話は使えないが、アメリカ系の航空会社は地上滑走中なら利用できるようになっている。アメリカでは最近、航空機の電子機器の利用制限が緩和されたからなのだが、国によっても考え方はまちまちということだ。

実際に携帯電話や電波を発する電子機器が飛行にどれくらい影響するのかについてだが、正直なところ、そもそも影響の有無でさえはっきりしていない。使用する電波帯が違うこともあるが、かなり昔なら影響したかもしれないが、最近の飛行機には全く影響がないとも言われている。読者の中にも、離陸時あるいは着陸時、ずっと電源を切るのを忘れたままだったという人が少なからずいるはずである。

ただ、アメリカ系の航空会社でも離発着時は電波を発しないようにしなければならないし、通話はマナーの面からも機内に入った瞬間から禁じられている。ここまで航空会社によってバラバラなのだから、乗る時はその都度アナウンスに従うほかはないだろう。