不動産経済研究所は9月11日、首都圏(東京都・神奈川県・埼玉県・千葉県)における「新築分譲マンションの駐車場設置率の動向(2017年上半期)」を発表した。
それによると、2017年上半期の首都圏マンションの駐車場設置率は42.2%にまで落ち込んでいることが分かった。
2007年には、発売戸数6万1,021戸に対して駐車場は4万7,179台分と、設置率は77.3%にまで達した。しかしながら、2008年に72.1%(発売4万3,733戸、駐車場3万1,527台分)と下落に転じると、2007年をピークに一貫して下落し続け、低下傾向に歯止めがかからない状況が続いているという。
エリア別に見ると、都区部(東京23区)は2007年に設置率56.0%(発売戸数1万6,563戸、駐車場9,273台分)とピークを記録したものの、2009年(設置率47.1%)、2010年(同41.4%)と下落を続け、2016年(28.9%)には20%台にまで低下。2017年上半期は29.5%(発売7,008戸、駐車場2,064台分)と下げ止まりの傾向が見られるものの、30%には届かない状況にある。
都下も2008年(73.3%)に80%を下回って以降、低下傾向に。2017年上半期には46.5%と、都区部以外では初めて50%を下回った。
その他のエリアも、駐車場設置率の低下傾向は同様で、神奈川県は2014年以降、埼玉県は2013年以降、設置率が50%台にとどまっている。また、他のエリアに比べて駐車場の設置率が高い千葉県も低下傾向にあり、2011年~2015年までは70%台で推移していたものの、2016年には64.1%までに一気に低下。2017年も61.9%と上向く気配は見られない状況となった。
今後の見通しについて同所は、「都区部を中心に常に車を必要としないというライフスタイルが一般的になったこと」「車を所有せずにその費用を住宅ローンの支払いに割り当てる世帯や、車を手放してマンションを買い換える世帯などは、利便性の高い駅近の物件などで増加」といった傾向が一層強くなることに加え、「カーシェアリングなどが普及」している点などから、「駐車場の設置率は緩やかに低下を続ける」と予想している。