爆笑問題の太田光(右)と田中裕二

お笑いコンビ・爆笑問題が毎年リリースしているノンストップ漫才のDVD「ツーショット」シリーズの第13弾『2017年度版 漫才 爆笑問題のツーショット』が今年もリリースされた。太田光と田中裕二が、2016年度に起きた、芸能界から、政治経済、国際情勢などさまざまな出来事を独自の切り口で料理しながら、86分ぶっ通しでおくる。今回、太田と田中の2人がマイナビニュースの取材に応じた。

昨年のDVDでは、ベッキーの不倫騒動やSMAP解散など芸能界のネタが多かったが、今回は 北朝鮮、森友学園、小池百合子東京都知事など、国内外の政治問題のネタが多い。また、太田が「今回のテーマは"スポーツ"ということで(笑)。気持ちいい汗をかいた」と言うように、太田がステージを縦横無尽に動き回るという、これまでの彼らの漫才とは違う展開を見せた。田中も「台本の段階では、(太田が)動くことを想定していなかったんです。稽古を重ねるうちに生まれていったんだけど、本番中は『やべーな』と思いましたね」と振り返る。漫才の終盤のネタ「映画の舞台挨拶」では、太田がさらに暴走。田中は「(稽古では)ふざけてやっていると思ってたんだけど、気に入ってやり出しちゃって。ああいうのって状況によってはまったく受けないこともあるし、一歩間違えれば『何してんだよ』ってことになるんですけどね」とさすがに想定外だったという。

収録はノンストップで行われた

まるで勢いがある若手の漫才を見ている錯覚に陥るが、太田は「ちょっとずつ、遊びも増えてきて、楽しんでやれるようになってきたんですね。結成当初は、きっちり意味のあることをやって積み重ねていた。(そのスタイルを)崩すのは、なかなかできないんですよ。自分たちだけで楽しんでいるように見えてしまうと、お客はおいてけぼりになっちゃうから。"俺らのスタイルが浸透している"という判断ができないと、崩せないんです。今は、崩していってもある程度受け入れてくれるじゃないかという感触はありますね」と自己分析する。田中も「自分たちが歳をとったり、お客さんも若い人が増えてきているから、そこは変わっていくこともあると思う。ネタも、きっちり確実にリズムが崩れてはいけないようなネタはきつくなってきますから。これからも、もう少し崩していくかもしれない」と話す。

2017年度版 漫才 爆笑問題のツーショット』(発売中 3,800円 税抜き 発売元:コンテンツリーグ 販売元:ソニー・ミュージックマーケティング)

では、2人の漫才は今後どのように進化していくのか。太田は「今回は、本筋と関係ないところで遊んじゃってるから。例えば、あれでM1(M-1グランプリ)に出たら、『馬鹿じゃねえか』って言われちゃうし、点数がつけられるコンテストだと反則になるんですよ」としつつ、「でもほんとは、やすきよ(横山やすし・西川きよし)の漫才のように、きよしさんが遊びだして、やっさんのことをおちょくる。これに、やっさんが対抗し始めて……という本筋とは違うところで面白くなってくる、ああいうのを最終的にはやれたらいいなと思っているんです」と展望を語った。