東京急行電鉄は18日、池上線池上駅の駅舎改良・駅ビル開発計画について発表した。改札内に残る構内踏切を廃止し、改札口を橋上化。駅南側にも出入口(南口)を新設する。駅ビルは5階建てとして、上層階に店舗や生活支援施設の導入も検討する。今年6月に着工し、2020年9月末の開業を予定している。
五反田~蒲田間を結ぶ池上線は、都心への利便性が高い生活密着路線であるだけでなく、池上本門寺や洗足池など名所旧跡への交通手段でもあり、池上線沿線は「今後、国内外からのさらなる来街が期待できるエリア」だという。乗降客数も2006年以降の10年間で約10%増加し、2015年度の池上駅の乗降客数は1日あたり3万5,324人とされている。
駅舎の改良にあたり、現在は駅北側に1カ所となっている改札口が橋上化される。改札内の構内踏切は廃止され、池上線の線路を挟んで北口・南口を設置する。地上5階建てとなる駅ビルは、740年以上の歴史を持つ池上本門寺を中心とした門前町の趣を感じさせる外観に。池上本門寺の「お会式」の万燈をモチーフとした行燈を灯す列柱、和を感じさせる大きな庇を駅出入口に設けるなど、駅と街の一体感を形成する。
駅ビルの上層階には、街のさらなる発展に資する拠点をめざし、物販・飲食店舗の他に保育園や公共・公益施設など、地域に求められる生活支援施設の導入も検討する。池上駅の駅舎改良・駅ビル開発計画は大田区と取り交わした「池上駅周辺のまちづくりの推進に関する覚書」にもとづき、官民連携で推進される。池上地区まちづくり協議会により、駅改良への期待を込めてまとめた構想案も今回の計画に取り入れられたという。