特急形寝台電車583系の最後の編成(JR東日本 秋田車両センター所属)が8日、引退前の最終運行として「ありがとう583系」のヘッドマークを掲げ、奥羽本線秋田~弘前間を走行した。ラストランを見届けようと、秋田駅をはじめ各駅ホームや沿線に多くの鉄道ファンらが集まった。4月9日には、秋田駅で583系の車両展示会が予定されている。

秋田車両センター所属の583系。4月8日の団体専用臨時列車が最終運行となった

583系は国鉄時代に製造され、寝台特急から昼行特急、急行列車まで幅広く活躍した交直両用特急形寝台電車。近年は運行列車の減少にともなう廃車が進み、最後まで残った秋田車両センター所属の6両編成もこのほど引退が決定した。

最終運行となる団体専用臨時列車はJR東日本秋田支社が企画し、4月2日は「ありがとう583系 増田の蔵と日帰り温泉の旅」として秋田駅から奥羽本線湯沢方面へ。4月8日は「さようなら583系 日帰りの旅」(秋田発・弘前発)として、奥羽本線秋田~弘前間を2往復した。車内は多くの旅行客でにぎわっていた様子。運行区間の各駅ホームや沿線では、鉄道ファンらが583系にカメラを向けていた。

「ありがとう583系」のヘッドマークを掲出し、奥羽本線を走行した

4月9日の車両展示会は、秋田駅2番線ホームにて9時30分から11時30分まで開催(受付は7時30分から)。「外観見学」「車内見学」の2コースを用意し、ともに入場券などは不要となったが、「外観見学」の来場者は車内に入ることはできない。「車内見学」は応募による完全予約制で、当選通知(はがき)の提示で車内を見学できる。2番線ホームに隣接して臨時販売所を設け、583系オリジナルグッズの販売も行うとのこと。

秋田駅では5月7日まで、改札内「駅のはなみち」(7・8番線連絡通路)にて、583系のラストランを記念した「ありがとう写真展」も行われている。