シャープは3月14日、人工知能を搭載したAIoT冷蔵庫「SJ-TF49C」を発表した。対話しながら献立を相談すると「『チキンソテー野菜ソース添え』はどうですか?」などとメニューを提案してきたり、人工知能によりプラズマクラスターイオンを抑制したりする。発売は3月下旬。価格はオープンで、推定市場価格は税別350,000円前後。
シャープが取り組んでいる「AIoT」(モノの人工知能化。AIとIoTを組み合わせた造語)製品の一つ。ユーザーが家電をどのように使っているかを記録してクラウド上に送信、取得した情報を応用して家電を「わが家流」に成長させるという。
SJ-TF49Cは、最上位オーブン「AX-XW300」と同様、ユーザーとの対話が可能。ユーザーの暮らしに寄り添い、タイミングよく声をかける「Good Timing Message」で、キッチンでの家事をサポートするという。
クラウドサービス「COCORO KITCHEN」と連動し、クラウド上にある大量のメニューと、ドア開閉のタイミングなどから学習したユーザーの生活サイクル(日中の在宅状況、食事の支度時間、家事がひと段落する時間、就寝時間、買い物のサイクル)を結びつけて献立を提案する。
主には、献立の相談にのり提案する「食材すっきりナビ」、買い物用のメモに活用する「買わなきゃナビ」、生活リズムのアドバイスを行う「生活リズムナビ」の3機能を持つ。
食材すっきりナビ
食材すっきりナビでは、冷蔵庫の中身に応じた晩御飯のメニューを提案する。たとえば、鶏肉を買っている場合は「今日はこの前買った鶏肉で『鶏肉のつけ焼き』はどうですか?」などおすすめしてくれる。
食材の使い忘れを確認したうえでメニューを提案することもある。ユーザーが定期的に卵を購入しており、最後に卵を購入したであろう日(SJ-TF49Cが予想する購入日)から3日経過している場合は、「そろそろ卵がなくなるころじゃないですか? まだ残っているなら献立相談してくださいね」など、献立相談を促す。
【動画】献立を相談しているところ。「それでいいよ」など、反応できない言葉を言われた場合は、言い直すよう求められる |
ユーザーが食材を指定し、献立を相談することも可能。「献立相談! トマトを使ったメニューを教えて」と話しかけると、「この前買った鶏肉とトマトを使って『チキンソテー野菜ソース添え』はどうですか?」など、冷蔵庫にある食品を活用するメニューを教えてくれる。
献立は天気情報や季節のイベントなどと連動しており、花粉が多く飛んでいる日には「外出を控えたいですね。おうちにありそうな材料でできるものを選んでみました。『オーブンで本格ハンバーグ』はどうですか?」といった提案がある。
提案されたメニューの材料や作り方は、スマートフォンやタブレットの「COCORO KITCHENアプリ」に送信、作り方やレシピ詳細はアプリから確認できる。
買わなきゃナビ
音声により買いたい食品のメモもできる。「買い物メモをお願い。牛乳!」と話しかけると、「牛乳ですね。買う食品をメモしました」とアナウンスし、「COCORO KITCHENアプリ」の買い物リストにメモする。
【動画】買い物メモをしているところ |
定期的に購入する食品は、購入時期をリマインドする。10日に1回ビールを購入している場合は、「そろそろ『ビール』を買う時期ですね。また買う場合は、買い物メモ登録してくださいね」と知らせてくれる。
【動画】「キャベツ」と言ったが、周囲の騒音もあり「ラーメン」と検知されてしまった。誤っている場合は「キャンセル」と言うと買い物リストに登録されずにすむ |
生活リズムナビ
生活リズムナビにより、天気やユーザーのスケジュールなど、生活に寄り添った情報も通知。たとえば、夜の家事がひと段落するであろう21時に冷蔵庫のドアを開けると「明日の天気は雨。降水確率は80%です」などと話しかけてくる。このほか、23時ごろに開けると「今日もお疲れ様です。ゆっくり休んでくださいね」などのねぎらいの言葉もかけてくれる。
冷蔵庫としての基本性能
鮮度の維持にこだわり、冷蔵室奥、野菜室、チルドなどにステンレスのパーツを使う「トリプルステンレス」を採用。食品に直接冷風を当てないようにして乾燥を抑える。
このほか密閉構造の「うるおい野菜室」、マイナス18度以下で安定して保存し霜つきを抑える「新鮮冷凍」、人工知能で冷蔵室の開閉頻度やキッチンの温度を検知しプラズマクラスターイオンの放出を調節する「プラズマクラスター見守り運転」などに対応する。
定格内容積は485L。外形寸法はW685×D699×H1,820mm、重量は98kg。