西武鉄道は13日、新型通勤車両40000系の内覧会を実施した。2016年度製作導入編成は、同社の通勤車両において初のロング・クロスシート転換車両。他にも「パートナーゾーン」や中吊り広告に代わる広告用デジタルサイネージなど、同社初という設備を多数備えた。3月25日から有料座席指定列車「S-TRAIN」で運行開始される。
新型通勤車両40000系の製作会社は川崎重工。車体をアルミダブルスキン構体として軽量化を図り、外観は西武グループのコーポレートカラーを基調に「山の緑と空の青」をイメージさせるカラーリングとなった。10号車の運転台側に「パートナーゾーン」を設け、子供たちが車窓の景色を楽しめるように、窓のサイズを大きくした点も特徴となる。
同社初の試みとなる「パートナーゾーン」は、車いす・ベビーカー利用者や大きな荷物を持った利用者が安心・快適に利用するためのスペースとして設置された。軽く腰掛けられる新デザインの座席や、車いすを固定できる設備が設けられている。車内はクロスシート・ロングシートに転換可能な配置となり、クロスシートでの使用時に便利な電源コンセント(2席につき1カ所設置)やドリンクホルダー、フックも用意された。
2016年度製作導入編成では、車両客室内から中吊り広告をなくし、代わって広告用デジタルサイネージ「Smile ビジョン」を設置した点も特徴。中吊り部のモニターは横に2画面並び、左右で異なる映像が放映される。各ドア上にも情報表示装置を2画面設置し、右側の画面は行先・停車駅・駅設備案内・ドア開方向・運行情報、左側の画面は「Smile ビジョン」として広告・ニュース・天気予報などを表示する。
長距離区間の運行も予定されることから、4号車に車いす対応のトイレを設置。おむつ交換シートも装備した。車内環境向上の取組みとして「プラズマクラスター」が搭載され、無料公衆無線LANサービス「SEIBU FREE Wi-Fi」も導入予定。その他、LED照明やVVVFインバータ制御装置(IGBT式)、最新技術のモーターなどの採用で、従来の省エネ車両と比べて電気使用量を約40%削減するという。設計最高速度は時速120kmとされた。
西武鉄道の新型通勤車両40000系を使用する有料座席指定列車「S-TRAIN」は3月25日から運行開始。西武線では土休日に元町・中華街方面へ上り2本(西武秩父発1本、飯能発1本)・下り3本(西武秩父行1本、飯能行1本、所沢行1本)、平日に豊洲方面へ上り4本・下り3本(すべて所沢駅発着)設定される。40000系は今年度導入されるロング・クロスシート転換車両も含め、10両固定編成を8編成、計80両を製作する予定となっている。