東京都交通局は6日、「浅草線リニューアル・プロジェクト」の第1弾として、都営浅草線に新型車両5500形を導入すると発表した。2018年春をめどにデビューし、その後も順次導入して都営浅草線の既存車両(5300形)27編成を新型車両へ置き換える。
都営浅草線は2020年に開業60周年を迎えることから、車両や駅施設など路線全体をリニューアルする「浅草線リニューアル・プロジェクト」を計画的に推進していく。その第1弾となる新型車両5500形はステンレス製の車体となり、「日本らしさとスピード感が伝わる車両」をコンセプトに、沿線にゆかりがあり、国際的にも日本のイメージとして一般的な歌舞伎の隈取りを現代風にアレンジして、凛々しく躍動感にあるデザインとした。
車内は座席の幅を広く取り、大型化した見通しの良い座席仕切りを採用。吊り手や手すりの数を充実させ、乗降口脇のスペースも広くして、ラッシュ時でもスムーズに乗降できるようにする。内装は落ち着いた和の雰囲気の中にも遊び心のあるデザインとなり、座席の柄には寄せ小紋を取り入れた。座席仕切りの柄は江戸切子(東京の伝統工芸品)調、壁面の柄は和紙調となり、カーテンには「浅草」と描かれた提灯や隅田川の花火、歌舞伎の隈取りといった沿線由来イラストを使用する。
車いす・ベビーカー利用者や大きな手荷物を持った乗客向けに、全車両に車いすスペース・フリースペースを設置。訪日外国人への案内を充実させるため、車内に設置する液晶モニターは多言語対応とする。照明はすべてLEDを採用。冷房能力を強化し、空気清浄機能も搭載して快適な車内空間を提供する。「羽田・成田両空港を結び、浅草や銀座といった東京を代表する観光地をつなぐ路線にふさわしく、通勤通学で利用される方から訪日外国人旅行客まで、誰もが使いやすい車両とします」と東京都交通局は発表している。
新型車両5500形の最高運転速度は120km/h(既存車両5300形は110km/h)。次世代半導体素子SiCを採用したVVVF制御装置で環境負荷の低減も図る。2017年度は1編成8両、2018年度は7編成56両を導入し、その後も新型車両を順次導入して車両更新を進めていく。