野村総合研究所は11月28日、2015年の日本における純金融資産保有額別世帯数と資産規模の推計結果を発表した。

富裕層・超富裕層の世帯数、前回比20.9%増加

それによると、純金融資産保有額が1億円以上5億円未満の「富裕層」及び同5億円以上の「超富裕層」の世帯数は計121.7万世帯となり、2000年以降のピークだった2013年の前回調査(100.7万世帯)を約21万世帯上回った。

純金融資産保有額の階層別にみた保有資産規模と世帯数(出典:野村総合研究所Webサイト)

内訳は、富裕層が114.4万世帯、超富裕層が7.3万世帯。前回比では、富裕層は20.0%増、超富裕層は35.2%増となり、合計では20.9%増加した。同社は増加理由として、「2013年~2015年の株価上昇により、2013年時点では純金融資産5,000万円以上1億円未満だった『準富裕層』と富裕層の多くが資産を増やし、それぞれ富裕層・超富裕層に移行したため」と推測している。

富裕層・超富裕層の保有する純金融資産総額は前回比12.9%増の272兆円と、2000年以降のピークだった2007年(254兆円)を18兆円上回った。内訳は、富裕層が同17.3%増の197兆円、超富裕層が同2.7%増の75兆円となった。

同社は増加理由として、いわゆるアベノミクスによる株価上昇が続き、富裕層・超富裕層の保有資産が拡大したことと、金融資産を運用(投資)している準富裕層の一部が富裕層に移行したことを挙げている。なお、2016年に入ってからは「円高や株価の低迷等により、富裕層・超富裕層の純金融資産額の増加は停滞している」と分析している。