政府は10月7日、過労死等防止対策推進法に基づき、2015年度「我が国における過労死等の概要及び政府が過労死等の防止のために講じた施策の状況」(「過労死等防止対策白書」)を閣議決定した。

「1年間のうち1カ月の時間外労働時間が最も長かった正規雇用従業員(フルタイム)月間時間外労働時間の企業の割合(業種別)(企業調査)」

白書によると、1カ月の時間外労働時間が最も長かった正規雇用従業員(フルタイム)の時間外労働時間が、"過労死ライン"といわれる月80時間超えと回答した企業の割合は、全体で22.7%。業種別にみると「情報通信業」(44.4%)、「学術研究、専門・技術サービス業」(40.5%)、「運輸業、郵便業」(38.4%)の順に多くなっている。

「過労死等」とは、業務における過重な負荷による脳血管疾患もしくは心臓疾患を原因とする死亡、もしくは業務における強い心理的負荷による精神障害を原因とする自殺による死亡またはこれらの脳血管疾患、心臓疾患、精神障害を指す。

「過労死等防止対策白書」は、2014年に成立・施行された過労死等防止対策推進法の第6条に基づき、国会に毎年報告を行う年次報告書。今回が初となる。白書には、過労死等の実態を解明するための調査研究、2015年度に行われた過労死等防止対策の取り組み、民間団体の活動などが記載されている。