外国人が日本で学んだ収納の工夫は?

日本の住まいを見て、「狭い」と感じる外国人は多い。私たち日本人にしてみても、ほとんどの場合、広いとは言い難いものがあるだろう。しかし、だからこそ限られたスペースをいかに活用するかという工夫は豊富にあって、すでに日常の中に溶け込んでいるものも多い。そんな日本の収納法で、外国人が「これは便利!」と感じているのはどんなものだろうか。日本在住の外国人20人に聞いてみた。

Q.日本に来てから学んだ収納の工夫があれば教えてください

住まいの構造など

・「収納に関しては、日本に来てふすまの便利さを知ったと思います。一般的に家屋は面積が狭いですが、ふすまのおかげでドアにあたる場所は少なく、必要に応じて2つの部屋を1つにでき、より開放的に見せることができる。収納スペースは家具ではなくて部屋の一部であることも素晴らしいと思います」(イタリア/30代前半/男性)

・「ユニットバスはハンガリーのバスルームほどオシャレじゃないけど、とても便利ですね。あと、すぐに引っ越せるアパートにすでにある押し入れとかも便利で、場所も取らずに済むからいいですね」(ハンガリー/30代前半/女性)

・「押し入れの作り方」(ベトナム/20代後半/男性)

収納グッズの活用

・「日本の住宅は狭いので、収納グッズを使って小物をしっかり分類して収納する」(中国/30代中半/男性)

・「布団の圧縮袋、小さな棚などを使ったスペースの有効な使い方が勉強になりました」(ウクライナ/30代前半/男性)

・「掃除で吸引して体積を小さくするもの」(インド/40代前半/男性)

・「仕切りのようにワイヤーラックを使えば、空いていた空間を有効利用することができ、より多くのものを収納することができます」(香港/20代後半/女性)

・「突っ張り棒を初めて使いました。突っ張り棒でできている棚もそうです。フランスは賃貸でも壁に穴を開けても問題ないからです」(フランス/30代前半/男性)

物に頼らないスペース活用法

・「いらないものはすぐ捨てる」(韓国/20代前半/男性)

・「収納はないが、捨てることを学んだ」(パラグアイ/30代前半/女性)

・「服のたたみ方です。丸めると、洋服のしわを減らすこともでき、スペースもそんなにかかりません」(フィリピン/40代前半/女性)

・「特にないですが、狭いところでのスペースの使い方がよくなってきた気がします。ちなみに今、アメリカでは『TINY HOMES』というすごく小さい家が流行(はや)っています。この前帰国した時、小さい家を紹介する番組がテレビでやっていました」(アメリカ/30代前半/女性)

日本の「隠す」文化を学んだ

・「日本人は恥じらいの文化なので、なんでも表に出さず隠すのがすてきだと思いました。特にお弁当を布で巻くことが大好きでした」(タイ/30代前半/男性)

・「見える収納と見えない収納です」(インドネシア/40代前半/女性)

特にない

・「特にありません」(ブラジル/20代後半/男性)

・「特に収納の工夫と言うものがないです」(モンゴル/30代前半/男性)

・「特にないようだ」(台湾/20代後半/女性)

・「ない」(ロシア/20代中半/女性)

・「日本に来てから新しい収納の工夫を習っていません。母国にいた時との同じやり方にしています」(スペイン/30代前半/女性)

・「日本のテレビ番組でよく収納の工夫に関するコーナーがありますが、そういう技を使ったことがありません。私の物は少ないので、工夫する必要はあまり感じません」(ルーマニア/30代前半/女性)

総評

家が狭いことはどうしようもない。しかし、多くの日本人同様、空間を上手に使う術を外国人も学んでいるようだ。中でも日本伝統の収納である「押し入れ」など、あらかじめ設置されている収納が便利と感じている人が数名いたのが面白い。

輸入物のインテリアショップなどに行くと「こんな巨大なクロゼットが日本の家に入るわけがない」と思うことがあるが、それはだいたい押し入れくらいの大きさだったりする。押し入れや間仕切りに使われている引き戸は、普段意識していないものの、かなり優れた空間利用法と言えるだろう。

しかし、今回集まった回答の中で、最もシンプルで実用的なのは「いらないものは捨てる」かもしれない。物がなければ収納に困ることもない。外国人目線の回答から、逆にわが家の収納を見直そうと思った。

調査時期: 2016年7月16日~2016年8月15日
調査対象: 日本在住の外国人
調査数: 20名
調査方法: インターネット応募式アンケート

※本文と写真は関係ありません