厚生労働省は8月24日、2015年の「雇用動向調査」の結果を発表した。それによると、新たに仕事に就いた人の割合を示す「入職率」が、仕事から離れた人を示す「離職率」を3年連続で上回った。同省は「雇用情勢は引き続き好調」と分析している。

転職で賃金が増えた人は3割超

入職者数は774万9,200人、離職者数は713万1,500人で、労働者数は1年間で61万7,700人増え、うち42万8,300人がパートタイム労働者だった。

入職率は16.3%(前年比1.0ポイント低下)、離職率は15.0%(同0.5ポイント低下)で、1.3ポイントの入職超過。入職超過率は縮小したものの、比較可能な2004年以降で最大だった前年(1.8ポイント)に次ぐ大きさとなった。同省によると、「パートタイム労働者の入離職が減少した一方、正社員の入離職は増加し活発な状況」だという。

入職率・離職率の推移(出典:厚生労働省Webサイト)

産業別の入職率をみると、「宿泊業、飲食サービス業」が32.6%で最も高く、次は「生活関連サービス業、娯楽業」の25.6%。離職率も上位は同順位となり、「宿泊業、飲食サービス業」が28.6%、「生活関連サービス業、娯楽業」が21.5%となった。また16大産業のうち、入職率が超過したのは13産業で前年より1産業増えた。

転職入職者の賃金変動状況を見ると、転職した後の賃金が前職より「増加」した人は35.6%(前年比1.0ポイント減少)。一方、「減少」した人は33.4%(同1.8ポイント増加)となった。

調査対象は従業員5人以上の事業所、有効回答数は上半期1万157事業所、下半期9,845事業所。