厚生労働省ではこのほど、平成27年上半期「雇用動向調査」の結果を取りまとめ、公表した。同調査は、5人以上の常用労働者を雇用する10,157事業所を対象に6月20日~7月10日にかけて実施した。入職者調査及び離職者調査は7月9日~8月26日に調査を行っている。

一般労働者、パートタイムとも入職超過

「雇用動向調査」は、全国の主要産業の事業所における入職者数・離職者数、入職者・離職者の性・年齢階級、離職理由等の状況を明らかにすることを目的に、上半期と下半期の年2回実施している。今回は、1月から6月までの状況について6~8月に実施した調査結果をとりまとめたもの。

平成27年上半期の入職者数は4,593.4千人、離職者数は3,993.7千人であった。年初の常用労働者数に対する割合である入職率と離職率はそれぞれ9.7%、8.4%で、4年連続の入職超過となっている。

入職率・離職率の推移(各年上半期)

前年同期と比べると、入職率が1.0ポイント低下、離職率が0.2ポイント低下しており、入職超過率は縮小しているが、平成16年以降で最大であった前年同期に次ぐ大きさとなった。

就業形態別にみると、一般労働者の入職率が7.8%、離職率が6.7%、パートタイム労働者の入職率が15.8%、離職率が13.9%で、いずれも入職超過となっている。

入職者数を職歴別にみると、転職入職者数は2,676.5千人(前年同期2,888.4千人)、未就業入職者数は1,916.9千人で、うち新規学卒者数は1,054.8千人であった。転職入職率は5.6%(同6.3%)、未就業入職者数は1,916.9千人(同2,036.2千人)で、未就業入職率が4.0%(同4.4%)だった。

職歴別入職率の推移(各年上半期)

離職理由別離職率を見ると、男性は個人的理由(「結婚」「出産・育児」「介護・看護」及び「その他の個人的理由」の合計)によるものが4.8%で、前年同期の4.4%から上昇した。

一方、事業所側の理由(「経営上の都合」「出向」及び「出向元への復帰」の合計)は0.7%で同水準となっている。女性は個人的理由、事業所側の理由ともに低下し、それぞれ7.2%、0.5%だった。

離職理由別離職率の推移(各年上半期)

6月末日時点の未充足求人数は1,012.8千人、うちパートタイム労働者分が441.8千人で、それぞれ前年同時点より189.0千人、121.3千人増加した。

常用労働者数に対する割合である欠員率は2.1%で、前年同時点に比べて0.3ポイント上昇している。パートタイム労働者では3.8%で、前年同時点に比べて1.2ポイント上昇した。