オウチーノ総研はこのほど、「親の老後」に関するアンケート調査の結果を発表した。調査は6月3日~6日、首都圏(東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県)在住の20歳~49歳男女741名(学生は除く)を対象に、インターネットで行われた。

親の老後に不安がある人、81%

「『親の老後』について考えていますか? また、『親の老後』に対して不安はありますか?」

はじめに「『親の老後』について考えていますか? また、『親の老後』に対して不安はありますか?」と質問したところ、半数以上が「考えていて、不安もある(52.9%)」と回答し、その割合は、20代(46.0%)、30代(52.6%)、40代(60.5%)と、年代が上がるに連れて高くなる傾向がうかがえた。

そのほか、「考えていて、不安はない(7.8%)」「考えてはいないが、漠然と不安はある(28.1%)」「考えていないし、不安もない(11.2%)」となり、「『親の老後』について考えている」人は60.7%、「『親の老後』に対して不安がある」人は81.0%という結果となった。

それぞれ理由を尋ねたところ、「『親の老後』に対して不安がある」と回答した人からは、「現在親とは別居しているので、将来的に同居して介護する必要があるのか」(34歳/女性)や「子どもが全員離れて暮らしているので、いざというとき駆けつけられるのか」(36歳/女性)など、「遠距離に住んでいるから」という理由を挙げる人が最も多かった。また、「金銭的問題」から不安に思う人も目立ったほか、「兄弟がいないため、何かあったときは自分1人に降りかかるから」(29歳/男性)、「何から準備して良いか分からないから」(39歳/女性)といった声も寄せられた。

一方「不安がない」と回答した人の理由としては、「まだ健康だから」や「経済的余裕があるから」という声が多く挙がった。

不安要素は「介護」と「経済的負担」

「不安要素は何ですか?」

次に「『親の老後』に対して不安がある」と回答した人を対象に、「不安要素は何ですか?」と尋ねたところ、最も多かったのが「介護」で61.3%。次いで「経済的負担」(46.3%)、「親の病気・怪我」や「認知症」(ともに28.7%)と続いた。

年代別に見ると、「介護」や「認知症」は年代を重ねるにつれ「親の老後」も近づくためか多くなった一方で、「経済的負担」はそのぶん備えをしている人も増えるのか徐々に減る傾向が見てとれた。

介護は「自分」か「配偶者」で

「もしも親の介護が必要になった場合はどうする予定ですか?」

次に「もしも親の介護が必要になった場合はどうする予定ですか?」と聞いたところ、「自分もしくは配偶者が仕事を続けながら介護する(23.2%)」、「自分もしくは配偶者が仕事を辞め介護する(4.9%)」、「仕事は分からないが、自分もしくは配偶者が介護する(10.3%)」など、およそ4割が「自分もしくは配偶者が介護する」と回答した。

「仕事を続けながら介護する」人の理由としては「経済的な理由」が最も多く、一方「仕事を辞め、介護する」理由としては、「家族への負担を減らすため自分だけで行いたいから」(24歳/男性)や「他人に任せるのは考えられないから」(25歳/女性)など、「自分たちだけで介護したい」という声が多く挙がった。

親の老後に特に対策をしていない人、66%

「『親の老後』に備え、何か対策はしていますか?」

最後に「『親の老後』に備え、何か対策はしていますか?」と聞いた結果、3人に2人は親の老後に関して「特に対策をしていない(66.0%)」ことが判明。年代間の差(20代65.6%、30代66.8%、40代65.5%)はほとんどなく、「親の老後」に対して不安を抱える人は多いものの、実際に何か行動に移している人は少ないことがわかった。

一方、対策としては「貯金(17.1%)」「親と話し合っている(8.9%)」「兄弟・姉妹間で話し合っている(7.8%)」が多く、それぞれ「まずは金銭的な不安だけでも取り除きたいから」(29歳/女性)、「親と自分の合意の上で決めたいから」(33歳/男性)、兄弟・姉妹間で「負担にならないよう、こまめに連絡やコミュニケーションを取っている」(40歳/女性)などの声が挙げられた。