Rakuten Kobo Inc.はこのほど、「新社会人時代に感じたストレス」の意識・実態調査の結果を発表した。同調査は3月31日~4月2日、2014年度・2015年度に新社会人になった500名を対象にインターネットで実施したもの。

ストレスの原因は何ですか?

仕事やプライベートを問わず、現在どの程度のストレスを感じているかを聞いたところ、「とても感じている」が22.7%、「やや感じている」が44.6%で、合わせて67.3%が何らかのストレスを感じていると回答した。ストレスの原因は「仕事のプレッシャー」(51.4%)が最も多い。次いで「将来への不安」(49.1%)、「お金に関する悩み」(45.7%)が続いている。

「理想の働き方」について聞くと、「仕事とプライベートをきちんと分けたい」が62.2%と最多で、「会社から正当な評価を受けられる」(52.1%)、「会社に役に立っていると感じられる」(51.4%)が続いた。

ストレスの原因として「仕事のプレッシャー」と「職場での人間関係」と回答した人に、職場におけるストレスを具体的に聞いたところ、いずれも「職場の人との飲み会」と「残業して仕事をすることを求められる」が上位を占めた。

職場でストレスを感じる場面は何ですか?

これらの回答から、2014年度・2015年度の社会人は、仕事には意欲的に取り組むものの、自身のプライベートの時間もきちんと確保し、バランスを保ちながら働くことを理想としていることがわかった。理想の働き方とかけ離れた状況下に置かれると、ストレスを感じてしまうことがうかがえる。

メンタルヘルス分野の第一人者である精神科医の樺沢紫苑氏によると、ストレスを感じているときには「読書」がよいという。イギリスのサセックス大学が行った実験では、読書には約7割のストレス軽減効果が見られ、音楽を聴くことやコーヒーを飲むことよりも効果が高かった。長時間読書する必要はなく、「6分」でストレス解消効果が得られるとのこと。

また、「ストレス解消のために重要なポイントは2つある」と樺沢氏。1つ目は自身が抱えている悩みに対し、解決方法や対策を知っているかどうかだという。「解決法や対応法を調べて、それがコントロール可能と分かっただけで、状況は解決しなくてもストレスの大部分は軽減されます」。

2つ目は、不安と関係する脳の扁桃体(へんとうたい)の興奮をしずめること。研究では、言語情報が脳内に入ると、扁桃体の興奮が抑制されてネガティブな感情が鎮まり、気分が改善されることが明らかとなっているという。

「読書は、抱えるストレスに対する対処法などを知るだけではなく、言語情報を脳に流入させて扁桃体の興奮をしずめることができる、一石二鳥のストレス解消法といえます」。

2014年度・2015年度の新社会人に理想のストレス解消法について尋ねたところ、「好きなものを食べる」(58.6%)、「人と話す / 話を聞いてもらう」(51.1%)や「旅行をする」(48.0%)が上位となった。一方、樺沢氏がすすめる「読書」は22.9%と低い結果となっている。

理想のストレス解消法は何ですか?

社会人になってからの読書頻度を聞いたところ、「全く読書していない」(33.1%)という回答が最も多かった。読書をしない理由は、「疲れている」(49.0%)、「時間がない」(48.8%)という答えが多い。毎日が忙しく、読書のために時間が割けないことがうかがえる。

どの程度、読書をしていますか?