家庭内DVは児童虐待につながる--子どもが受ける「面前DV」の深刻な被害とは

 

「面前DV」は子どもにどのような影響を及ぼす?

厚生労働省はこのほど、全国の児童相談所における児童虐待の相談対応件数(平成26年度)を発表。その数は過去最多の8万8,931件にのぼった。今回、件数が増えたことの背景として国があげたのが「児童が同居する家庭における配偶者に対する暴力」いわゆる「面前DV」の通告数の増加だ。「面前DV」は子どもにどのような影響を及ぼすのか。そして家庭にはどのような支援が必要になってくるのか。対策に力を入れている大阪府茨木市の担当者に聞いた。

愛し方がわからなくなる

子どもがいる家庭で家庭内暴力を行うことを指す「面前DV」は、児童虐待防止法に定められた心理的虐待とされている。しかしその影響は心理的虐待にとどまらない。担当者は「DVのある家庭の児童の多くは、同じ種類の虐待にあっているといわれている」と指摘。また、DV被害者は身体的にも精神的にも疲弊しているため、子どもの養育にまで気が回らず、ネグレクトになることが多いという。

さらに深刻なのは、家庭内のDVが子どもの育ちに与える影響だ。DVによって家庭は安心できる場所でなくなるうえ、子どもの適切な養育が家族の重要事項でなくなる。つまり、子どもに関心が向かない、かまってもらえないという状況が生まれる。「子どもの居場所がなくなる。そして、自分は愛されている、大事にされているという体験が極めて少ないので、自尊心が非常に低い子どもが多い」と話してくれた。

結果として「愛し方がわからない」であるとか、「対等な人間関係が形成できない」など、のちのちの人格形成、対人能力形成に支障をきたしてしまう。「問題解決に暴力を用いるといった行動につながることもある。DV被害者やDV加害者の成育歴を聞いていくと、DV家庭で育っていたり、被虐待児童であったりしたという方も少なくない」という。

DV担当・児童虐待担当が同席して対応

「面前DV」の対応について、茨木市ではDV担当と児童虐待担当が連携して支援にあたっている。DVを担当する「配偶者暴力相談支援センター」に寄せられた相談の中で、児童虐待が見られる場合や、被害者の養育能力の低下が心配な場合などは、児童虐待を担当する「こども相談室」に報告。児童の見守りをお願いしたりしているそうだ。

さらに必要があれば、DV担当・児童虐待担当が同席して同時に相談を受けることもあるとのこと。相談者の負担軽減になるうえ、支援者側にとっても同時に話を聞くので、聞いた話にズレが出ず、本人の意向に沿った支援策を検討することができるからだ。担当者は「多くの支援策があるということは、支援に幅ができ、選択肢が増えるということ。ひいてはDV被害者やその児童にとってよりよい支援策を組み合わせたり、選択できたりすることになる」と語った。

「面前DV」の解決には、被害を早期に発見すること、そして各機関の連携が求められている。それでは、どうしたら被害を発見することができるのか。また、加害者を生まないためには何が必要なのか。後編でご紹介する。

※写真と本文は関係ありません

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