ピンクリボンフェスティバル2015運営委員会は10月1日、乳がん検診の大切さを訴える「ピンクリボンフェスティバル2015」の記者発表会を都内で開催した。発表会には、フィギュアスケーターの安藤美姫さんらが登場し、女性の健康管理について語った。

ピンクリボン運動を応援しているキャラクター「モモ妹」とフィギュアスケーターの安藤美姫さん

「ピンクリボンフェスティバル2015」は、ピンクリボン月間にあたる10月にあわせて、日本対がん協会らが開くもの。東京、神戸、仙台をはじめ各地で、シンポジウムや建造物のライトアップなど、乳がん検診の大切さを伝える催しが開催される。

同発表会には、ピンクリボンのメッセージを伝えるネイルアートのデザインに携わったフィギュアスケーターの安藤美姫さんが登場。乳腺外科などが専門の平松秀子医師とともに、乳がんの知識や日頃の健康管理のあり方などを語るトークショーに参加した。

左から安藤さん、平松秀子医師

はじめに平松医師が、日本で乳がん患者が増えていることを指摘。患者数は年間約8万人ということだが、生活の欧米化や出産が遅くなってきていることなどから、今後も増えていくと予想されているという。

一方で平松医師は「早期に発見された乳がんは9割以上治る」として検診を受けるよう呼びかけた。

検診を受けるよう呼びかけた平松医師

安藤さんは検診の大切さに加えて、日頃の健康管理の重要性も訴えた。「アスリートは毎日のように健康状態を気にする方が多い」として、「20代のうちから体調と向き合うことを習慣にするのがいいのかも」と提案。

これに対し平松医師は「自分の常々の体の状態を知ると、異変が起こったときに気づくことができる」と賛同した。

日頃の健康管理の重要性を訴えた安藤さん

トークショーでは、元女子プロレスラーの北斗晶さんが乳がんを公表したことも話題となった。

安藤さんは北斗さんが乳がんの告知を受けていながら、公表を控えていた時期に一緒に仕事をしていたことを告白。

「すごくつらかったと思うが、最後まで人に心配をかけないように振る舞っていた強さに、アスリートの魂を感じた」と語った。

さらに北斗さんが検診の大切さや治療の様子を発信していることについて、「すごく大変な時期だと思うが、自身が経験したことを毎日のように報告するという呼びかけの形もあると思う」と称賛。

「今だからこそ(乳がん検診について)意識を変えることが大切」と呼びかけた。

安藤さんが北斗さんの乳がん公表についてコメント

また、北斗さんが検診を受けていながら乳がんを発病したことについて、「検診を受ける意味がないのではという声もある」と司会者から質問が飛んだ。これについて平松医師は「検診を受けることによって大部分は(乳がんを)検出してもらえる」と反論。

一方で、「次の検診までの間に(乳がんが)大きくなるというというケースもある」としてその間の自己検診の重要性を訴えた。「検診を受けたから100%(安心)だと思わない方がいい。検診に加えて、月に1回セルフチェックをすることの大切さを北斗さんが教えてくださった気がする」と語った。

「強い心で歩いていってほしい」とエールを送った安藤さん

最後に安藤さんは「自分を大切にしなければ家族や大切な人を大切にできない」と検診の重要性を再度訴えた。その上で、闘病中の患者に対して「今の自分に必要だからこそ起こっていることと考え方を変えてみることで、もしかしたら前に進めるかもしれない。強い心で歩いていってほしいと思います」とエールをおくった。