音楽ユニット・My Little Loverにとって約11年ぶりの映画主題歌となる楽曲「ターミナル」が4日、映画『起終点駅 ターミナル』(11月7日公開)の新予告映像と共に初めて公開された。

上:My Little Loverアーティスト写真 下:映画『起終点駅 ターミナル』メインビジュアル

第28回東京国際映画祭のクロージング作品にも決定している本作は、2013年に『ホテルローヤル』で第149回直木賞を受賞した、作家・桜木紫乃の同名小説が原作。忘れられない過去を背負い、誰とも関わることなく25年もの間、ひっそりと生きてきた弁護士・鷲田完治(佐藤浩市)と、誰にも頼ることなく一人で生きてきた女性・椎名敦子(本田翼)が、出会いと交流を通してお互いに変わっていく姿を描く。

主題歌「ターミナル」は、元My Little Loverのメンバーで劇中音楽を担当している小林武史が、本作のために書き下ろした楽曲。ユニット20周年プロジェクトのリードシングルとなる。My Little Loverの新曲発表は2011年の「ひこうき雲」以来4年ぶりで、映画主題歌としては本作と同じ篠原哲雄監督がメガホンを取った『深呼吸の必要』(2004年)以来11年ぶり。

新たに公開された予告編は、豪雪の中、街を歩く完治が「どっか小さな街で一緒になろう」と呼びかけるも束の間、駅のホームで転倒してしまう場面から始まる。その25年後として描かれるのは、息を潜めるように生きる完治と被告人の敦子の運命的な出会い。後半では、「ターミナル」が流れ、終わりと始まりである"起終点駅"へと歩み出す2人、周りを取り巻く人々の生きざまが交錯する様子が映されている。「ひとつやふたつ、あの世に持っていかなきゃならん事だってあるんだよ。人はそれを背負って生きていくんだな」という南達三(泉谷しげる)の言葉や「生きてさえいればいい、生きていてくれさえすれば」という完治の祈りも収められている。

My Little Loverのakkoは「絶望的なことが起こるのに、心の中の小さなともし火がずっと温かい。重苦しいのに、なぜかみずみずしさのようなものを感じる。それはそれぞれの終わりと始まりが、これからもずっと続いていく予感がしたからです」とした上で、「私はこの世界に凛とした姿で寄り添いたい、そんな想いで主題歌を歌いました」と明かす。一方の篠原監督は「My Little Loverの楽曲、akkoさんの歌声が、必死で生きていた彼ら(完治と敦子)とその未来に優しくエールを送ってくれました」と感慨深げにコメント。「『深呼吸の必要』以来、2度目の奇跡に感謝致します」と真摯に告げた。

映画『起終点駅 ターミナル』メインビジュアル

My Little Loverアーティスト写真

映画『起終点駅 ターミナル』場面写真


(C)2015桜木紫乃・小学館/「起終点駅 ターミナル」製作委員会